クラフトビールを新たな観光資源として三浦半島の地域活性化を図ろうとバスツアーの実現を目指す動きがある。民間企業や大学などでつくる「三浦半島地域活性化協議会」(横須賀市)はこのほど、同半島に点在するクラフトビール醸造所をバスで回るモニターツアーを開催。地元観光協会関係者や大学生らが参加し、個性豊かなビールを味わいながらバスツアーの魅力と課題を探った。

 近年、全国的にクラフトビール醸造所が相次いで誕生している。今回ツアーで回った横須賀、三浦両市と葉山町では2017年の「横須賀ビール」(横須賀市大滝町)を皮切りに7カ所がオープンしているという。

 地元住民と観光客が交流を深める拠点として注目されているが、課題もある。公共交通機関を使って回るには時間もかかり利便性も低い。またアルコール摂取の側面からマイカーなどでの観光にも適していない。

 そこで同協議会は観光バスを利用したツアーを提案。今回は午前10時ごろから午後5時ごろまで、醸造所3カ所などを回った。実際に工場を見学しながら製造過程の説明を受け、数種類のビールを味わった。

 昨秋開店の「三浦ブルワリー」(三浦市三崎)では、深い味わいにするなどマグロ料理に合う工夫がされている「ミサキ マグロ アンバー」などが提供された。

 同店の小松哲也代表(66)は人通りの少ない平日のにぎわいを願う。まとまった集客が望めるバスツアーに期待を込め、「一過性のニーズに応えたツアーにするのではなく継続的なものにする必要がある」と話した。