社会現象を起こすほどの大人気になっている『涙の女王』。キム・スヒョンと一緒に主役を演じているキム・ジウォンの存在感が素晴らしい。彼女は話題作に次々に出演して着実に成長し、今や一気にトップに躍り出た。そんな彼女の足跡がわかるベスト4のドラマをピックアップしてみよう。

●『相続者たち』(2013年)

裕福な家庭で育った若者たちを中心にした青春群像劇。登場人物はみんな問題を抱えている。イ・ミンホが演じるキム・タンは帝国グループの会長の次男なのだが、愛人から生まれており、婚外子として苦しい境遇にあった。パク・シネが扮したチャ・ウンサンは貧しい家庭に生まれ、姉を頼ってアメリカで成功することを夢見たが、現実を思い知らされて挫折してしまう。
この主人公2人を取り巻く俳優陣の顔ぶれが凄い。「問題児」チェ・ヨンドに扮するのがキム・ウビン、キム・タンの友人チョ・ミョンスを演じているのはパク・ヒョンシク、生徒会長のイ・ヒョシンに扮しているのはカン・ハヌル、そして、キム・タンの婚約者ユ・ラヘルを演じているのはキム・ジウォンだ。
このドラマでのキム・ジウォンは鮮烈な印象を残しており、彼女を含めて『相続者たち』の出演者が豪華すぎてため息がもれるほどだった。
●『太陽の末裔 Love Under The Sun』(2016年)
ソン・ジュンギとソン・ヘギョという大物俳優同士の競演が話題になったドラマで、爆発的に大ヒットした。ストーリーもスケールが大きかった。軍人のユ・シジン(ソン・ジュンギ)とソ・デヨン(チン・グ)が、休暇中に窃盗犯を捕まえるところから物語が始まり、紛争地域での医療活動へと移っていく。
ソン・ヘギョはヒロインの外科医モヨンに扮し、キム・ジウォンが演じていたのが軍医で整形外科医のユン・ミョンジュだった。彼女は司令官の娘であり、エリートコースを歩んできたので自信満々のキャラクターになっている。仕事や恋に邁進する姿をキム・ジウォンがハツラツと演じた。
●『サム、マイウェイ〜恋の一発逆転!〜』(2017年)
パク・ソジュンが扮した主人公のコ・ドンマンはオリンピックの出場も可能なほどのテコンドー選手。しかし、大切な試合で家族の負債問題が駆け引きに使われてしまって、ドンマンは持てる力を発揮できなかった。オリンピックの候補選手からもはずされ、どん底を味わった。そんなドンマンの幼なじみがアナウンサーを目指しているチェ・エラで、キム・ジウォンが演じている。
エラはなかなかアナウンサーになれず、ドンマンに八つ当たりしてしまう。元来が強気な性格なのだ。結局、若い2人が失敗にめげず果敢にチャレンジしていく姿をドラマはスリリングに描いている。
●『私の解放日誌』(2022年)
ソウルの郊外に住む3人がメインの登場人物になっている。この3人は通勤にあまりに時間がかかるのがコンプレックスになっている。
きょうだいの一番上は長女のギジョン(イエル)で調査会社に勤めている。二番目は長男のチャンヒ(イ・ミンギ)でコンビニ運営会社の社員だ。三番目が二女のミジョン(キム・ジウォン)でデザインの仕事をしている。
この3人の日常がドラマの序盤で描かれるが、みんな疲れ切っている。そんな一家に従業員として関わってくるのがクという男だ。ソン・ソックが演じている。
この男は3人の両親と一緒に働いているが、酒ばかり飲んでいて得体がわからない。それなのに、ミジョンが少しずつこの男と接点を持つようになってくる。それは、家族に見られてはいけない借金の督促状を彼に頼んだからだった。以来、謎の男とミジョンの関係が鮮烈に描かれていく。その際にキム・ジウォンの演技が本当に良かった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)