阪神・久寿川駅から線路沿いを東へ歩くこと2分のところに、兵庫県の伝統的工芸品である“和ろうそく”を製造・販売している工房「和ろうそく KOBE(松本商店)」(西宮市)があります。

こちらで手づくり和ろうそくの絵付け、アロマオイルキャンドル作りなど、自分だけのオリジナルアイテムを作る体験が気軽にできると聞いて訪ねてみました。

外からは絵付け師さんの作業している姿が
1877(明治10)年創業の老舗

和ろうそくは室町時代(1300年代頃)に中国から伝わり、江戸時代に最盛期を迎えました。その後、明治時代以降は洋ろうそくの普及により需要は減少、現在和ろうそくを製造・販売しているのは全国で10数軒しかないのだそう。

手書きのぬくもりやほっと心穏やかな気持ちにさせてくれる小さな灯火

しかし、近年ではインテリアとしての“和の灯り”や、絵ろうそくの“美しさ”、“植物性100%の原材料”を使用していることなどから再び和ろうそくの良さが見直され、世界でも注目されつつあるのだとか。

おしゃれな燭台と一緒にろうそくに火を灯してみたくなる

和ろうそくの原料は、木蝋(もくろう)と呼ばれる植物のハゼの実の油を使用しているので、石油系のパラフィンワックスを使用する洋ろうそくが持つような独特のにおいはなく、自然でやさしい香りが特徴です。

たくさんの職人さんの手によって和ろうそくは作られます

すべて人の手を通して作られているため、ろうそくの個性もさまざま。あたたかな炎がやさしく揺らいでいろいろな表情を見せてくれます。

和ろうそくのゆらゆら揺れる炎は<1/fゆらぎ>と呼ばれ、木漏れ日や波と同じ癒しのリズムで人の心を落ち着かせるといわれています(出典:和ろうそく 松本 公式サイト)

また、油煙が少ないので部屋が汚れにくく、風にも強いのでアウトドアでの使用にも適しているとのこと。自然素材を使うことで人体や環境にもやさしい商品なのです。

四季折々の花が描かれた「絵ろうそく」はギフトにも人気

同店は、西宮市に本店を構え、以前は神戸市・旧北野小学校を活用した体験観光施設<北野工房のまち>内に「和ろうそく KOBE」として、ろうそくに関するさまざまな工房体験を実施してきました。

こけしの形をしたろうそくも絵付け可能

施設は昨年12月に惜しまれながら閉館してしまいましたが、和ろうそくの伝統や魅力を伝え続けたいと、同じ体験が西宮の本店でもできるようになりました。

のんびりした雰囲気で和気あいあいとグループでの参加もOK「絵付け体験」1,650円(税込)

体験は和ろうそくだけでなくキャンドルの絵付けや、好きなアロマオイルをブレンドして作るオリジナルスプレー体験など、1時間ぐらいで気軽にできる10種類以上のメニューがお手頃価格で用意されています。職人さんが丁寧に教えてくれるので初心者でも安心ですよ。

「ボディーオイルキャンドル作り体験」1,980円(税込)

また、高級化粧品の材料としても使われる木蝋と合わせて作るアロマキャンドルやボディーオイル、ハンドクリームにもなる⁈お得な体験もあるのだそう。

一本一本を手で作る「清浄生掛け(しょうじょうきがけ)」という製造方法で作られたろうそく

予約をすれば、体験と一緒に工房見学もできるそうなので、申し込み時に確認をしてみてください。

店舗
和ろうそく KOBE(松本商店)
(西宮市今津水波町11-3)
営業時間
<和ろうそく KOBE>※体験・販売
10:00〜17:00 
定休日 火・水・木曜日 
TEL 0798-61-1688

<松本商店>※販売のみ
9:30〜18:00
定休日 日曜・祝日
TEL 0798-36-6021