高い太陽の下、海は碧く透き通り、砂浜は白く輝く。波打ち際や緑の木陰にたたずむ人たちのそばを、蒸気機関車(SL)を模した電動車両が通り過ぎ、向こうから水しぶきの音と歓声が聞こえてきた。  南国のリゾート地のような風景が広がる神戸市須磨区の須磨海岸。昨夏以降、芝生広場やカフェなどが入る複合施設が整備され、今月1日には、シャチやイルカのショーが楽しめる神戸須磨シーワールドとホテルがオープンした。  見慣れた三角屋根が姿を消した場所には、青いプールが目玉のように並ぶ。空から眺めると、変化は一層際立つ。それでも、散策したり波打ち際で遊んだりと、浜辺で過ごす人たちに流れる時間の穏やかさは変わっていないように見えた。(斎藤雅志、中西幸大)