脱税を目的に、いわゆる「不正軽油」を製造したとして、岡山県は3日、兵庫、大阪、奈良、和歌山の各府県と合同で、神戸市兵庫区の石油製品販売会社と代表取締役ら5人を軽油引取税における地方税法違反の容疑で神戸地検に告発しました。

 告発によりますと、この会社は2021年8月から2023年7月にかけて、岡山県内の運送会社の敷地で、知事の承認を受けずに軽油と灯油を混ぜた「炭化水素油」を計40回、あわせて64万リットル製造しました。他府県で製造した分を合わせると、不正軽油の量は1258万4000リットルに上るということです。

 「不正軽油」は、主にディーゼル車の燃料として使う軽油に、脱税を目的として灯油や重油などを混ぜ、軽油と偽って販売されます。岡山県は告発の理由について「軽油引取税の脱税を目的とした重大な犯罪行為であり、計画性と反復継続性がある」としています。

 また、兵庫県はこれらの不正軽油製造により軽油取引税5億6637万円あまりを脱税したとして、3日、会社と代表取締役を脱税の容疑でも告発しました。

 この事件は、兵庫県が不正軽油ホットラインへの情報提供を元に調査を始め、岡山県などが加わったもので、兵庫県警も協力して4回にわたって強制捜査を行っていました。