■郵便局長の夫と妻の連係プレー

80代の女性を救った夫婦

特殊詐欺の被害を未然に防いだとして大阪府堺警察署から堺市内に住む夫婦に感謝状が送られました。

郵便局長の夫と妻の連係プレーが80代の女性を救いました。

感謝状が送られたのは堺三宝郵便局長の島並勇樹さん(40)と妻の寿子さん(42)です。


■ATM操作する80代女性の携帯から若い男の声『早く振り込まな』と焦る女性 

ATM ※資料

警察によるとことし4月、80代の女性が堺市内のショッピングセンターに来店。

携帯を持ち、電話をしながら無人のATMを操作している様子を偶然、居合わせた寿子さんが目撃しました。

【島並寿子さん】「電話の先には若い男の人の声が聞こえました。何やら詰められている感じで。『早く振り込まなあかんねん』と女性は焦っていました」


■郵便局長の夫に連絡した妻 すぐに駆け付けた夫

寿子さんは女性の様子を見て詐欺の被害にあっているのではないかと思い、堺三宝郵便局長をしている夫の勇樹さんに連絡。

すぐに勇樹さんが現場に駆け付けました。

【堺三宝郵便局 長島並勇樹さん】「女性の話を聞いていると、還付金詐欺だとわかりました。郵便局ではなく、無人のATMに誘導するのもよくある手口です」


■「あえて無人のATM操作させる」詐欺の『常とう手段』と確信した夫

感謝状を受け取る夫婦

今回、女性が向かうように言われたのは無人のATM。

郵便局長をしている勇樹さんによると、郵便局のATMは古いから作業ができないなどと嘘をついて、あえて無人のATMで操作をさせるのが詐欺グループの常とう手段だということです。

2人は警察に通報し、女性は無事、被害にあわずに済みました。


■去年の倍近く増加している特殊詐欺被害

STOP ATMでの携帯電話

堺警察署管内ではことしに入ってから5月末までに32件、あわせておよそ1億5000万円の特殊詐欺の被害が起きていて、去年の同じ時期よりも倍近く件数が増加しているということです。


■「古い紙幣使えなくなると嘘つく犯罪増える」と警察

新紙幣

堺警察署・川崎隆昌 生活安全課長は「ATMで携帯を触っている人に声をかけてほしいと働きかけているので協力いただけてありがたい」と話していて、新紙幣が発行されることに伴い、「古い紙幣が使えなくなると嘘をついてお金をだまし取る犯罪が増えるのではと懸念しています」と注意を呼びかけています。