国道20号「甲州街道」に代わるバイパス道路のひとつとして、東京〜国立で建設中なのが「東八道路」です。その未開通部の一部が3月14日、開通を迎えました。どう便利になったのでしょうか。

日野バイパスから見える「立派な高架橋」

 都心から日野・八王子方面へ、旧態依然とした国道20号「甲州街道」に代わるバイパス道路のひとつとして建設中なのが「東八道路」です。
 
 甲州街道の上北沢から北へ分岐し、4車線道路で三鷹市・調布市・府中市を抜けていき、最終的には国立インター入口交差点で「日野バイパス」へまっすぐ直通していくことになります。

 その東八道路、今やほとんどが開通済みですが、最後の新府中街道〜国立インター入口の約1.2kmだけが、未開通です。用地取得など準備が続いています。

 さて、その最後の未開通区間で、2024年3月14日、新たに道路が開通しました。

 今回開通を果たしたのは、国立インター入口交差点のすぐ北側、JR南武線をまたぐ跨線橋を含む約350m区間です。

 4車線道路の完成形でオーバーパスが完成。付近にあったJRの「本宿原踏切」は使用中止となりました。

 ところで、この東八道路の開通部、日野バイパスから通り抜けられるようになったわけではありません。

 今回はあくまで「線路で分断されていた南北の地域を結ぶ」機能として「暫定開通」となっただけで、住宅地内で道路が完結するようになっていて、国立インター入口交差点とは繋がっていません。国立インター入口交差点は、相変わらず「T字路」のままです。跨線橋は4車線道路ですが、車道部は一部封鎖されて片側1車線ずつの状態です。

 とはいえ真新しく立派な高架道路に、歓迎する声も。日野市に住む30代男性は「国立インターからまっすぐ4車線で都心へ抜ける道路だから、早く全通してほしい。甲州街道は狭い。中央道はいつも混んでいる」としたうえで「工事に時間がかかる橋が完成したのは、大きいと思う」と話します。

 沿線住民のひとりは「南武線の踏切を延々と待たなくてもよくなったのは大きい。特にラッシュ時はひどかった」と話しました。開通直後の現地では、さっそく自転車で橋を渡ってみる人の姿がちらほら見えました。

 昔ながらの甲州街道に代わるバイパス道路は「東八道路」のほか、JR中央線の手前で南に分岐して圏央道・高尾山ICへ抜ける「日野バイパス延伸部」「八王子南バイパス」も工事の真っ最中となっています。