川崎と木更津をむすぶ「東京湾アクアライン」が、大師JCTからさらに西へ延伸するプロジェクトが進行中です。完成すればどう便利になり、どこまで事業が進んでいるのでしょうか。

都心郊外一周の「最後の1ピース」

 川崎と木更津をむすぶ、貴重な東京〜千葉の直結ルート「東京湾アクアライン」。
 
 その東京側ルートは、まず川崎浮島JCTで首都高湾岸線に接続し、その先の大師JCTで羽田線・横羽線に接続しています。
 
 その大師JCTからさらに西へ、高速道路を延伸するプロジェクトが進行中です。完成すればどう便利になり、どこまで事業が進んでいるのでしょうか。

 この事業は「川崎縦貫道路」という事業名で進められています。実質的には「首都高川崎線」の延伸部という形になります。

 具体的なルートは、大師JCTから国道409号に沿って、第一京浜(国道15号)へ至るもの。京急川崎駅近くの競馬場前交差点付近で、第一京浜と直結する計画です。

 ざっくりとした計画構造では、大師JCTの地下部がそのまま延伸し、国道15号の「富士見出入口(仮称)」で地上に出る予定。国道409号は地上部として、今と同様に片側2車線となります。

 都市計画決定は1990年。国道409号が今の形になる前から進められていたため、国道409号は高架道路が作られることを見越したのか、ところどころ中央分離帯部分に広いスペースが確保されています。

 気になる進捗ですが、まだまだ調査設計の段階で、具体的なランプ構造などの形は明らかになっていません。ただ、今の国道409号の地下を通すため、用地取得も最小限となりそうです。いざ設計が終われば、工事着手まで一気に進んでいくことが予想されます。

 現場は1か所ですでに動いています。産業道路と交差する「大師河原交差点」の横断歩道を架け替える工事です。

 ちなみに、「川崎縦貫道路」という構想自体は、国道409号バイパスとして多摩川南岸を西進し、東名方面へ接続することになっています。

 しかしこの構想、関越〜東名で工事中の「外環道」の延伸部「東名〜湾岸道」とまるっきり重複しています。そのため、国や沿線自治体では、この2つのプロジェクトをどう一体化するのかの調整が進められています。主な議論は、多摩川の北岸・南岸のどちらに高速道路を通すのか、羽田空港・川崎線のどちらへ直結させるのかということが焦点になっています。