高知県の須崎港の防波堤の補強工事で余った石材を海中に不法投棄したとして、東京と高知の建設会社とそれぞれの社員2人が書類送検されました。

書類送検されたのは、東京都の五洋建設と、その社員で工事責任者の男(58)
そして、高知市の大旺新洋とその社員で現場責任者の男(48)です。

高知海上保安部によりますと、2つの建設会社と社員2人は、去年2月16日、国土交通省四国地方整備局が発注した須崎港の防波堤の補強工事が終了した際に、船内で余った石材(158.8立方メートル)を須崎港の海中に不法投棄した疑いが持たれています。

去年10月、四国地方整備局から、「工事の受注業者が工事の余剰石材を海中に投入した」と情報提供があり、高知海上保安部が捜査したところ、2つの建設会社とそれぞれの社員2人の関与の疑いが強まりました。

四国地方整備局は、南海トラフ地震対策の一環で、おととし7月20日から去年3月22日にかけて今回の補強工事を五洋建設に発注していて、下請け会社として、大旺新洋が現場で作業を行っていました。

そして、去年2月16日の工事終了時に船内に余った石材の処分に困ったことから、工事責任者の男が、下請けの現場責任者の男に指示を出し、石材運搬船のクレーンを使って、須崎港内の海底に不法投棄したとみられています。

さらに、五洋建設と社員で工事責任者の男(58)については工事の実施中に追加で受注した区域の工事を無許可で行っていた疑いでも、書類送検されています。

調べに対し、社員2人は容疑を認める供述をしていて、2つの建設会社も監督責任が不十分であったことを認め、今後、再発防止に取り組んでいくとしています。