22日高知県いの町で高校生たちが「土佐和紙」の原料となる楮(こうぞ)の加工を体験しました。

黙々と作業しているのは高知追手前高校吾北分校の1・2年生です。生徒たちは来年卒業する3年生の卒業証書に土佐和紙を使うため、和紙の原料=楮の表皮を削ぎ取る「楮へぐり」を体験しました。出刃包丁を使って茶色や黒色の部分を削ぎ落とすと白い和紙の原料になりますが、削りすぎると作れる紙が少なくなるため、集中力が必要です。

(高校1年生)
「最初のほうはちょっと難しかったんですけど、慣れてきたらコツをつかんで。ひとさし指を使ってすべらすようにはいでいく」

(高校2年生)
「手間暇かかっているというか、紙ひとつにも一つ一つの工程があって、最終段階でひとつの紙として生まれていく流れ、順序を知れたおかげで関心が出てきた」

土佐和紙は、需要の低下や後継者不足で生産量が減っていることが課題です。

(土佐和紙生産者 田岡重雄さん)
「関心を持ってもらうことが大事。そこを入り口にして作っていく過程も経験するので、そういうことを大事にしてもらうことが、土佐和紙にしろ、高知の産業に通じることがあるんじゃないだろうか」

12月には2年生が今回の楮を使って卒業証書用の紙すきを行う予定です。