香川大の学生団体が高松刑務所と連携し、受刑者らが作る新たな「刑務所作業製品」を開発した。学生が普段使いできるよう工夫したエコバッグと木製のしおりで、大学祭や生協などで販売する計画だ。3月の取材時に団体代表だった卒業生の西田侑莉さん(24)は「製品を身近に感じ、刑務所内での生活に関心を持ってもらいたい」と話す。(共同通信=広川隆秀)

 団体は「さぬき再犯防止プロジェクト」。刑務所を出所後に孤立しないよう元受刑者との交流会を定期的に開き、一般の人に理解を深めてもらう啓発活動も進めている。

 2022年から高松矯正管区と連携を開始。2022年10月の大学祭で全国の刑事施設で作られた刑務所作業製品を展示し、人気投票とともに来場者が欲しいと思う新製品のアンケートを取った。結果を踏まえ、2023年5月に商品化の企画を本格的にスタート。高松矯正管区や高松刑務所と打ち合わせを5回行い試作品を完成させた。年内の販売を目指し、価格などを今後決める。

 副代表の吉本清乃さん(23)はエコバッグについて「学生が生協で買うペットボトルと弁当が崩れず入るように底を厚くした」とこだわりを語る。高松刑務所の加藤航平統括矯正処遇官は「若い人に関わってもらうことで、顧客の年齢層を広げることができる」と期待している。