地震による被害を少しでも減らすため、製品評価技術基盤機構(NITE)が揺れに伴う暖房器具などの事故事例を紹介し、注意喚起している。近くに可燃物を置かないことや、大きな家具を固定するなどといった日頃からの警戒に併せ、「被災時に役立つ製品であっても、揺れが収まった後に使う場合には思わぬ事故が起きることもある」と呼びかけている。

 2011年の東日本大震災時、群馬県の30代女性宅では電気ストーブにたんすが倒れ、衣服が燃えた。東京都では、落下した本やCDがストーブのスイッチに当たり出火した例もある。普段から家具の固定など周りを整頓することが有効だ。

 揺れた後も注意が必要になる。電気製品は電源を切り、プラグをコンセントから抜くのが良い。18年の北海道胆振東部地震後、石油給湯器に焦げ臭さやエラー表示が出ていたにもかかわらず、電源を入れ直すなどして使い続けた北海道の50代女性が火災に遭った。1995年の阪神大震災関連でも、延長コードの破損に気付かず使い続けたことで火災が起き、男性が軽傷を負った。