宝塚歌劇団の俳優急死問題で、謝罪と補償を求めた遺族と歌劇団側の28日の会見を受け、現役のタカラジェンヌやOGからは「何もかもが後手だった」「未来のための議論もして」と歌劇団側の姿勢に失望する声が上がった。

 「謝るのが遅すぎた」。ある現役タカラジェンヌはそう憤る。歌劇団側は当初、上級生俳優らによる女性へのパワハラを認めず、その後も事実認定を巡る遺族側主張に異議を唱えた。交渉長期化の要因となったその対応に「会見も、休演を決断するのも、何もかもが後手だった」とあきれる。

 一方、今年で110周年の宝塚歌劇の歴史の中で生まれた理不尽なルールを放置したのが原因だと指摘するのは、元タカラジェンヌの女性だ。「遺族側が公表した(ハラスメントの)話は心当たりがあるし、歌劇団ではずっと当たり前だった」と振り返る。

 その上で「過去のことだけを議論するのではなく、宝塚をどう残すのかという未来を想像し、何ができるのかも議論してほしい」と注文を付けた。