奈良市が国に個人情報を提供し、国が情報を利用して自衛官の募集をしたのはプライバシー権を保障する憲法13条に違反するとして、同市の高校生(18)が29日、市と国に計110万円の損害賠償を求めて奈良地裁に提訴した。

 自衛隊法は、自治体は自衛官募集に関する事務の一部を行い、防衛相は必要な資料の提出を求めることができると規定。弁護団によると、情報を提供された本人が提訴するのは全国で初めて。

 訴状によると、市は23年2月、17歳だった原告を含む募集対象者の氏名、生年月日、性別、住所を自衛隊に提供。同7月上旬、原告に自衛官募集のはがきが届いた。