「存続に危機感を持たざるを得ない」「大変深刻だ」―。民間組織「人口戦略会議」が将来「消滅の可能性」があると指摘した自治体では、人口減対策の成果が思うように上がらない現状への不安や焦りの声が聞かれた。首長からは、自治体の名指しに「ナンセンスだ」との反発も出た。

 多くの自治体がリスト入りした東北地方。青森県外ケ浜町は、20〜30代の女性が今後30年で9割近く減少する。町の担当者は、若い女性の就業先が限られ、都市部への流出が続いていると指摘。「町独自の対策では、財源も限られている。国で若い女性を増やす施策を進めてほしい」と訴えた。

 今回新たに消滅可能性を指摘された岡山県井原市。高校卒業後の受け皿となる大学や専門学校がなく、10〜20代の人口流出が課題という。担当者は「企業誘致を進めても、流出の速度に追いつかない」と肩を落とす。

 前回、東京23区内で唯一、消滅の可能性を指摘された豊島区。今回の報告ではリストからは外れた。一方で、人口流入が多いものの出生率が低い「ブラックホール型自治体」とされた。