【ニューヨーク共同】トランプ前米大統領は25日、一族企業の不正で4億5千万ドル(約680億円)余りの支払いを命じられた民事訴訟の判決について、控訴に必要な保証金の納付期限を迎えた。納められずに資産を差し押さえられれば事業は危機に陥り、共和党候補の指名を確実にした11月の大統領選に向けた資金繰りにも大きな打撃となる。

 トランプ氏側は判決とほぼ同額の保証金を納付することは「実質的に不可能」だとして、ニューヨーク州高裁に減免を求めている。

 「ばかげている!」。トランプ氏は21日に自身のソーシャルメディアで、訴訟を起こした民主党のニューヨーク州司法長官による「選挙妨害だ」と主張した。「(保証金の確保で)資産を売却すれば、控訴審で勝ってももう戻ってこない」と焦りもにじませた。

 州地裁は2月、一族企業が資産価値を過大に見せかけ、金融機関から有利な条件で融資を受けたと認定し、巨額の支払いを命じた。トランプ氏が控訴するには保証金を納付するか、保証会社に支払いを保証してもらう必要がある。