「二十四節気」1年を24等分した季節を表す言葉

「二十四節気(にじゅうしせっき)」は、季節を表す言葉として約2500年前の中国で生まれました。地球から見たときに太陽が通る道を「黄道(おうどう)」と呼びますが、この黄道を15度ずつ24分割し、それぞれに季節を表す言葉をつけたものが二十四節気です。24の節気(季節の区分)があるから二十四節気というわけです。最近では使用される機会も減りつつありますが、立春や春分、秋分など、今でもよく耳にする言葉もあります。

 二十四節気は、日本に6〜7世紀ごろに伝来して、農業の目安として使われるようになりました。ただ、中国の黄河地方の気候をベースに作られたもののため、日本の風土とは若干のズレがあるとも言われています。

4月19日〜5月5日までの「穀雨」ってどんな季節?

4月19日〜5月5日までの「穀雨」ってどんな季節?

 二十四節気の始まりは「立春(りっしゅん)」です。4月19日(金)〜5月4日(日)の「穀雨(こくう)」は、二十四節気野中6番目にやってくる区分で、春のいちばん最後の節気。つまり、穀雨の期間が終了したのちには夏が到来するということです。

 では、穀雨とはどのような季節なのでしょうか。穀雨とは、さまざまな穀物を潤す春に静かに降る雨のこと。さまざまな植物が雨の恵みに潤されるため、種まきに最適な時期だとされています。この時期に、キュウリやトマト、ナスなどの夏野菜の種まきをすると、丈夫な苗に育つとも言われています。また、田植えの準備をする目安でもあります。

 穀雨は恵みの雨のおかげで花々がいっせいに開花する時期です。春の花には、ツツジ、藤の花、ハナミズキなどさまざまありますが、中でも代表的なものが牡丹です。中国の国花とされる牡丹は「穀雨花」とも呼ばれています。

穀雨の時期の食べ物

「穀雨」旬の食べ物

 穀雨の時期にはさまざま食べ物が旬を迎えますが、その代表が冬の間に土の中で栄養分を蓄えた根から若い茎が伸びたアスパラガスやタケノコ、ごぼう。ほのかな甘みとシャキシャキの食感を楽しめるさやえんどうもおいしいです。

 魚なら、若鮎、ヤリイカ、アジ、サクラダイなどがおすすめです。魚は産卵期に向けて栄養を蓄えることから、脂がのっておいしいとされています。

 穀雨の期間に八十八夜を迎えることから、お茶もこの時期に味わっておきたいものの1つ。また、旬の食材・よもぎを使った草餅もぜひ食べるようにしてください。よもぎには高い殺菌効果があるため、食べることで病気の予防にもつながります。
  
 気候も良く花々が咲き乱れる穀雨の時期。ちょうどゴールデンウィークと重なるため、お花見がてらお散歩やドライブに出かけてみるといいかもしれませんね。

(水浦裕美)