筆者は3年間、ある人気ホテルチェーンで働いたことがあり、そこで業界の内情を目撃することになりました。

フロントの仕事から客室の清掃までいろいろやったその経験が、思い出に残る宿泊にするには何をすべきか、逆に何をすると台無しになるか、教えてくれました。

旅行経験豊富な人も、初めて部屋を予約しようとしている人も、筆者が絶対にやらないことを紹介するので参考にしてください。

1. 公式サイト以外から予約をする

筆者も昔は、ホテルをお得に予約するには第三者の旅行サイトを使うのが一番だと思っていました。しかし、その考えは大きく変わりました。

なぜならこうしたプラットフォームでは、ユーザーが予約を管理しにくいことが多く、泊まる側にとって面倒なことになり得るからです。しかも、ホテルのスタッフが手助けすることが難しい場合も多いです。

第三者サイトは、オーバーブッキングになってしまうこともあり、その場合は泊まる側が、代わりの宿探しに奔走しなければならなくなります。それに、変更ポリシーが厳しく、不便で、よく分からない手数料が発生してしまっていることもあります。

こうしたウェブサイトは、ユニークな宿泊プランを探すのに使うとしても、予約は電話でも公式ウェブサイトでもいいのでホテルに直接することを強く勧めます。

2. ドアガードをかけない

普通にロックしておけば十分安全だと思って、わざわざドアガードをかけない人もいます。しかし、それではホテル・スタッフのミスに太刀打ちすることはできません。

筆者も、連絡ミスで空室と聞いていた部屋に誤って入ってしまい、「取り込み中」だったことが何度かありました。すでに埋まっている部屋の鍵を、誤って別の宿泊客に渡してしまったこともあります。

もちろん、ミスは許されませんし、プライバシーを侵害してしまったスタッフは猛省しているはずです。しかし、現実にこうしたミスは起こります。

宿泊費を返してもらうこともできるかもしれませんが、スタッフにお尻を見られないようにすることはできません。必ずドアガードをかけましょう。

3. ホテルのルールを無視する

分別と思いやりのある人なら、おそらくすでにホテルのルールをきちんと守っていることでしょう。例えば、過度の騒音禁止、禁煙、などです。

ほとんどのホテルは、こうしたルール違反に対してかなりの額の罰金を課すため、何千ドルとはいかないまでも、何百ドルも払わなければならない可能性もあります。

ホテルはすでに、宿泊客のクレジットカード情報を登録している可能性が高いため、請求を免れることは難しいです。それに、チェックイン時にサインをした場合、ルールを遵守しなかった場合は罰金を支払うことに同意している可能性が高いです。

4. 部屋をよく調べずに寛ぐ

泊まる部屋をさっと調べることで、自分(とホテル・スタッフ)の時間とストレスをどれほどセーブできるか、ほとんどの人は気付いていないと思います。

筆者は絶対に、部屋はきれいか、お湯は出るか、エアコンは効くか、電子機器(テレビ、ランプ、目覚まし時計)は使えるかを確認します。

こうした問題はできるだけ早い段階で見付けておき、寛ぐ前にホテル・スタッフに解決してもらう方が良いでしょう。

5. ロイヤルティ・プログラムを利用しない

お金の代わりにポイントで支払うのは嫌という人に会ったことがありません。そして、ホテルのロイヤルティ・ポイントのたまる早さに、筆者はいつも衝撃を受けます。私はこれまで、無料宿泊やギフトカードを数えきれないくらいゲットしてきました。

いろいろなホテルを予約するのではなく、そうしたプログラムに参加する価値は絶対にあると思います。

メンバーになると、レイト・チェックアウトが無料などの特典がつくこともあります。それに、無料で部屋をアップグレードしてもらえたりもします。

6. 「起こさないでください」のプレートを使わない

ホテル・スタッフから邪魔されないためには、「起こさないでください」のプレートを使うのが良いです。プライバシーのためだけではありません。不要な客室サービスを減らし、サステイナビリティを促進することにもなります。客室清掃員の負担を軽くすることもできて、気分も良いでしょう。

自分が客として泊まる時には、清掃が必要ない時にはいつも出すようにしています。

7. 設備を確認せずに予約する

ほとんどの人が、ホテルのレビューは読んでいますが、自分に必要な設備がすべて揃っているかどうかをチェックし忘れる人が多いことには驚かされます。

ホテルの星の数には、必ずしも宿泊客の評価が反映されているわけではありません。それはむしろ、ホテルにある設備の質と量です。

2つ星ホテルなら、プール、スパ、レストランやルーム・サービスはなさそうなので、泊まる場所を選ぶ時には注意が必要です。

8. チェックアウトせずに帰る

チェックアウトという手続きが重要であるということが、人々の頭から抜け落ちてしまっているようです。

チェックアウトの目的は、いたってシンプルです。ホテル・スタッフに対し、あなたが部屋を出たということ、よって次の宿泊客のための準備を始めて良いと知らせることです。

きちんとチェックアウトしなければ、スタッフが各部屋を回って、人がいないことを確認しなければならなくなってしまいます。筆者もホテル中を駆けずり回って、気付けば50部屋以上調べていた、という日が何度かありました。

翻訳:Ito Yasuko、編集:井上俊彦

Business Insider Japanより転載(2024.01.20)