「本当はこんなことをしている暇はないのに…」「もっとほかにやりたいことがあるのに…」と思いながら、ついやってしまうことの代表格がゲームではないでしょうか。
筆者は一時期、ゲーム開発関連の仕事をしていたことがあり、ゲームのすばらしさはよく知っているつもりです。
ですが、ダラダラとプレイし続けてしまう中毒性があることも確か。筆者自身も学生時代にゲーム中毒になりかけたことがあります。
今回は、そんなゲームを「やめられた」タイニーハックについてご紹介します。
つい最近まで1カ月に数十時間ゲームをしていた
正直に白状すると、つい最近まで毎日1〜2時間ほどゲームをしていました。心の中では「仕事が終わった余暇の時間に、ちょっとゲームを楽しむくらいいいだろう」と思っていました。
ただ一方で、「もっと有意義なことに時間を使ったほうがいい」とも考えていたのです。
一日に1〜2時間といっても、1カ月なら30〜60時間。フルタイムの就業時間に換算したら4〜8日間ぶん。それをゲームのためだけに費やしているわけです。
そう思って、その瞬間にすっぱりやめられれば苦労はありません。
「やめる」と決心しても、日が落ちてその日の業務が終わったら、どういうわけかゲームを起動してしまっている自分がいるのです。
もしこれが、若者に多い「ゲーム依存症」レベルなら専門医に受診したほうがいいかもしれません。ですが、そこまでは行きたくないのが本音。自力でなんとかしてみることにしました。
いろいろ試行錯誤をして、今はゲームのプレイ時間は0時間。つまり、完全に卒業できました。
同じ悩みを持つ方の参考になるかと思い、効果的だった3つの方法をお伝えします。
メリットとデメリットを「見える化」する
1つ目の方法は、「アメリカ建国の父」とも呼ばれるベンジャミン・フランクリンが発案した「功罪表」です。
今もビジネスパーソン向けのライフハックとして紹介されることがあるので、ご存知の方も多いでしょう。
やり方は簡単。紙の真ん中に縦線を1本引いて、どうすべきか悩んでいることについて左にメリット、右にデメリットを書いて検討するというものです。
筆者は、これを活用しました。つまり、テーマは「ゲーム」。左に、毎日ゲームを1〜2時間続けることのメリット、右にデメリットを思いつくまま書いていったのです。
以下のような具合です。
◎ゲームを続けるメリット
- 気晴らしになる
- クリアしたときの達成感がある
- 何かしら脳トレになるかもしれない
▲ゲームを続けるデメリット
- 単純に時間がもったいない
- 収入アップに貢献しない
- 人格の陶冶に貢献しない(むしろ人間性が低下するリスクあり?)
- スキルアップに寄与しない
- 健康レベルが落ちる(睡眠の質低下、運動不足、視力低下…)
注意したいのは、一気に書き切ろうとはせず、1週間くらいかけ、何か思いつくたびに書き込んでいくことです。
そうすることで、考えや思いが熟成され、普段は思いつきもしなかったメリットやデメリットも浮かんできます。
これに似たことは、誰しも普段から頭の中でしているはず。ですが、改めて紙に落とし込むことで、漠然としたことがハッキリし、決断に弾みがつきます。
筆者の場合、功罪表を作成したことが、ゲームを永遠にアンインストールする決定打になりました。
ゲームをやめて浮いた時間で何をしたいか考える
もう1つの方法は、「やめて浮いた時間で何をしたいか」を真面目にひたすら考えることです。
重要なのは、1日あたり何時間浮くかではなく、1カ月で何時間浮くかの視点。
1日あたりの視点だと、「1日に1時間くらいなら、ゲームしてもいいんじゃない」という結論になりがちです。これを1カ月の視点にすることで、トータルでどれだけの時間が空費されていたのか、実感しやすくなります。
そのうえで、ゲームを止めて浮いた時間を使って何をしたいか考えます。おそらく、「今までやりたいと思っていたけれど、時間がなくてできていなかったこと」が、いくつか思い浮かぶと思います。
それは資格を取るための勉強であったり、時間のかかるエクササイズであったり、人によって様々でしょう。
コツとしては、義務的なことではなく、「やってみたら楽しいだろうな」「自分の人生が前進するだろうな」と思えることに焦点をあてます。
もし、そう望むなら「浮いた時間を仕事にあてる」というのもアリです。
ただしその場合、1カ月に1回、日帰り旅行をするといった、自分へのご褒美もワンセットで考えるようにしましょう。
ゲームの起動を面倒くさくする
意外と効果的だったのが、「ゲームを起動するハードルを少し上げる」というやり方です。たとえば、
- その日のゲームが終わるたびに、ゲームをアンインストールしてしまう
- 家族に「自分がゲームをしているところを見たら500円あげる」と約束してしまう
- YouTubeのゲーム動画で攻略法を先に見てしまう(モチベーションが下がる)
といったものです。
特に「ゲームをアンインストール」は地味に効果あります。何十ギガバイトもあるゲームについては、再度インストールするのに相当な時間を要するので、ほぼ一発で止められます。
問題は、数百メガバイトの軽いゲームですが、1週間ほど毎晩アンインストールを繰り返せば、ゲームへの意欲はなくなります。
世界最大のゲームプラットフォーム「Steam」を利用している方は多いと思いますが、ゲームをアンインストールするだけでなく、さらに「Steam」アプリ自体もアンインストールして、ログインパスワードを書いた紙を捨ててしまえば、ほぼ完璧です。
以上、筆者がやってみて効果があったゲームの止め方を紹介しましたが、リバウンドは最初から想定しておいてください。
「止められた!」と思っても、1週間後か1カ月後か、なんとなくゲームをしたくなる時が必ず来ます。
その場合は、あえて数日間だけゲームにはまり、またゲームを止める方法にチャレンジしてみてください。
いつしか、やがてゲームをまったくしなくても気にならない日がくることでしょう。
──2022年11月4日の記事を再編集のうえ、再掲しています。
睡眠、姿勢、メンタルにも悪影響!スマホ中毒の兆候と適切な距離を築く4つの対策 | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/2310-digital-detox-matome/
「ハマる」と「依存症」の違いとは? いい依存でメンタル快調に保つコツ | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/2208_book_to_read-1047/
執筆: 鈴木拓也