疲れているのに夜なかなか寝つけず、じれったく感じることはありませんか?
せっかく早めの就寝を心がけても、入眠に時間がかかりすぎると結果的に十分な睡眠時間を確保することがままならず、翌朝に疲れを残してしまうことも…。
そんなとき、いつでも、どこでも、だれにでも実践できて、よりスムーズに眠りにつくことが期待できるテクニックがあるのだそうです。
ホリスティックヘルスコーチの稲墻麻子さんに、詳しくお聞きしました。
なぜ眠れないのか
人の体には自律神経系が備わっており、血圧・心拍数・呼吸数などを調節しています。
自律神経系には交感神経と副交感神経があり、それぞれが異なる働きをしつつ、バランスを保っています。通常、昼間は交感神経が優位になり、夜になると副交感神経が優位になることで、自然と眠りに入る準備が整っていきます。
ところが、不規則な生活や、ストレスフルな仕事環境などが原因となり、自律神経系のバランスが乱れてしまうことがあります。そうなると、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかず、睡眠への影響が出てしまうのです。
ブレスワークとは
自律神経系の乱れを直そうとしても、基本的に「自律」しているので、自分の意思ではコントロールできません。ただし、唯一の例外があります。それが呼吸です。
大抵は意識することなく行なわれる呼吸ですが、自分の意思でもコントロールすることができます。その特長を生かして、自律神経の乱れを整えていくのがブレスワーク(呼吸法)です。
一般的に、深く、ゆっくりと呼吸をすることで、副交感神経系の働きをうながし、心身ともにリラックスした状態に導くことができると言われています。
4-7-8呼吸法とは
4-7-8はアメリカのアンドリュー・ワイル博士が開発した呼吸法で、入眠を促す効果があると言われています。
ヨガで使われる伝統的な呼吸法やリラクゼーションのテクニックに基づいて開発されており、ワイル博士が2000年代初頭に広めて以来、多くの人々に活用されています。
4-7-8呼吸法の手順
- 口から息をすべて吐き出します。
- 口を閉じて鼻から静かに息を吸いこみながら、頭の中で4秒カウントします。
- 息を止めて、7秒カウントします。
- 口から息を吐き出しながら、8秒カウントします。
これで1サイクルです。
1回に4サイクル、1日に2回行なうことをルーティーン化することが推奨されています。ワイル博士は朝目覚めてから1回、そして夜寝る前に1回行なっているそうです。
そのほかの活用シーン
- 夜中に目が覚めてしまい、寝付けなくなってしまった時
- 緊張を和らげたい時
- ストレスを感じている時
- 集中力を上げたい時
4-7-8呼吸法を根気よく続けていくことで、意識的な呼吸のリズムが無意識的な神経系に作用し、やがて自分の意思によって心身をよりリラックスした状態へと導けるようになるのだとか。
毎日をなんだか調子良く過ごすためのノウハウとして、ぜひ活用してみてください。
稲墻麻子(いながきあさこ)さん・米国認定ホリスティックヘルスコーチ
アメリカで高校〜大学生活を送ったあと、外資系金融会社のマーケターとして社会人をスタートし、広報、顧客エンゲージメントなどを担当。フルタイムの正社員として働きながら、ヨガインストラクターの資格を取る。
そのあともコンサルティング会社、外資系Fin Tech会社などで従事。2017年からは米ドラッカー・スクールで数多くのエグゼクティブに提供している「セルフマネジメント」プログラムを日本でも提供するためにTransform, LLC. の立ち上げから参画、主にエンゲージメント向上を目標に活動中。
現在は予防医学やライフスタイル医学とも呼ばれるホリスティックヘルスの観点から、個人、法人のクライアントの全体的な心身の健康をサポートするプログラムを実施中。身体、心、精神、環境、仕事、人間関係など生活の中で触れる12の要素を軸にあらゆる側面からアプローチしている。
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Source: drweill.com