パサつきやボリュームダウン、白髪など髪の悩み。見た目年齢にかかわる髪だから、毎日のケアや生活習慣を見直して、つややかな髪をキープしましょう。

教えてくれたのは……

クレアージュ東京エイジングケアクリニック院長
クレアージュ東京エイジングケアクリニック院長
医学博士、国際アンチエイジング医学会専門医。発毛治療を中心に女性の悩みに寄り添う診療を続けている。共著に『美髪ケア大全』(主婦の友社)

30代後半からの髪のエイジング毎日のお手入れで変わる

「女性の髪の毛は、女性ホルモンの影響を受けて、30代後半から徐々に変化し始めます。もともとの髪質により順番は個人差が大きいですが、髪のパサつきやボリュームダウン、白髪などに悩む人が増えていきます」と、浜中先生。
40代になると「こんなものかな」とあきらめてしまう人も多いですが、それはNG。髪のエイジングは、基本的なケアや養生で食い止められます。

「40代以降の髪は傷みやすいので、ブリーチや縮毛矯正は控えたほうが無難です。白髪染めも頭皮と髪には負担なので、染める頻度を少なくして、間の時期はヘアマニキュアやカラートリートメントで乗り切れるといいですね」。
また、髪の原料となるのは、アミノ酸なので、食事からたんぱく質を十分とること、良質な睡眠をとって髪の成長を促すなど、生活習慣と食事を見直す養生も大切になります。
「また、薄毛が気になっている人は、年齢を問わず早めに相談を。発毛クリニックで処方される外用薬は市販のものと比べ濃度も高く、効果が期待できます」

加齢による髪の変化

美髪と養生
キューティクル
髪の表面をおおうキューティクルは、紫外線やドライヤーの熱など外側からのダメージではがれて薄くなったり、形が乱れます。キューティクルが乱れると、髪の内側のコルテックスもダメージを受けて、弱い髪に。
美髪と養生
地肌
髪の毛は、毛根を通して毛細血管から栄養を取り入れて成長します。年齢とともに、頭皮が薄くなって毛根の形が崩れると髪がうねる原因に。頭皮の血行が悪くなると、栄養補給が妨げられて、髪が弱くなります。

大人の髪の悩み 3選

① 髪型が決まらない

・髪が細くなっている
・うねりがでている
・パサつく


年齢とともに髪型が決まりにくくなるという声も増えます。剛毛の場合は、髪がごわついて広がったり、不自然な位置でぱっくり分け目ができるなどの悩みが多く、うるおい不足が考えられます。軟毛の人は、頭頂部がぺったりしてくるので、ハリコシを高めるケアを。

② ボリュームダウン

・ホルモンの減少
・頭皮環境
・髪のダメージ


女性ホルモンのプロゲステロンは、髪の成長をうながす働きがあります。30代後半から徐々にプロゲステロンが減少し始めるとともに、薄毛やボリュームダウンが気になります。また、頭皮の血流の悪化や皮脂詰まりで髪が細くなって、ボリュームダウンすることも。

③ 白髪

・遺伝
・加齢
・ストレス


白髪の原因は、毛根にある色素幹細胞の働きが弱くなること。加齢が要因です。また、ストレスや慢性的な肩こりなどで血流が妨げられることによっても、頭皮の血流が悪くなり、白髪が出やすくなります。早く白髪が出るかどうかは、遺伝の影響が大きいのが現実。


edit & text:Ema Tanaka illustration:Hitomi Hasegawa

リンネル2024年4月号より
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