「たこ焼き」に必要不可欠な「タコ」。全国的にその価格が今、高騰しています。いったいなぜなのでしょうか。

静岡市 20代:
「買わないですね。(値段を見て)びっくりします」

静岡市 60代:
「とても買えませんね。もうちょっと安くなってくれるとありがたい」

 静岡市内のスーパー。

 今、“ある異変”が起きていました。

白木愛奈アナウンサー:
「お肉のゾーンにやってきましたが」

店長:
「こちらに国産牛の細小間切れがあるのですが、こちらの商品は100g320円ということで、蒸しダコよりも安いんです。」

白木愛奈アナウンサー:
「国産の牛肉よりも、タコの方が高いんですか?」

店長:
「そうですね」

 こちらのスーパーでは100g 320円の国産牛に対し、モロッコ産のタコは100g378円。50円以上差があります。

 これには買い物客も…。

静岡市 70代:
「タコ大好きだけど、高いもんで買えない。孫が来るときはたこ焼きやったりしてタコ買ったんですけど。買いたいけどやっぱぜいたく」

静岡市 40代:
「最近本当に高すぎて手が出ないので買わない。昔は考えられないけど今はもうしょうがない」

焼津のたこ焼き屋では

 なぜ今、タコの価格が上がっているのでしょうか。

 日本に輸入されるタコは6割が西アフリカのモロッコとモーリタニア産です。

 ところが、ここのところカルパッチョやパエリアなどにタコを使うヨーロッパ勢に買い負けし、日本に入ってくるタコの数が激減。それに伴い、価格が急上昇したといいます。

 JR焼津駅前に店を構える「たこ焼き&スマイル」。

 自慢のたこ焼きは、一粒が大きくてボリューム満点。
 
 大きめにカットされたタコが入ります。

 ただ、店ではタコの価格高騰で大きな変化が…。

たこ焼き&スマイル 店主・矢野さん夫婦:
「15年前は6個で270円。今が600円。
タコは去年くらいからすごく値上がっていて、1割ずつどんどん上がっている感じ。気が付いたらめっちゃ高い。」

 たこ焼きに欠かせない「タコの高騰」。

 たこ焼き&スマイル」の矢野さん夫婦からも、笑顔が消えかけています。

たこ焼き&スマイル 店主・矢野さん夫婦:
「仕入れ値は上がってくるけど、売値に転嫁できない。
値上げしたらお客さんも嫌。うちらが利幅を狭くして販売している」

 “日本の味”である「たこ焼き」にとって緊急事態とも言える今。

 焼津市の「たこ焼き&スマイル」は“この先”について…

白木愛奈アナウンサー:
「今後もタコの値上がりは続く?」

たこ焼き&スマイル 店主・矢野さん夫婦:
「続くでしょ。数年後にはまた倍の値段になってたりするんじゃないですか。たこ焼きって、子供からおじいちゃんおばあちゃんまで、たこ焼き食べたい。おやつに食べたいという食べ物だから。タコの価格が倍になったからと言って、たこ焼きが一船2千円とは考えられない。そうなったら誰も食べられなくなるから、手軽に食べられるように工夫はしていくと思う」

 私たちの食生活に影響を与えている“物価高騰”。

 静岡市内のスーパーによると、7月以降もタコの価格は上がる可能性があるということです。

たこ焼き&スマイル 店主・矢野さん夫婦