青学時代、厳しい練習とチームメイトとの思い出

青学は月曜のオフ以外は練習。毎日早朝から練習があって、当時は4時45分に起床して、5時20分には寮から800m程度離れた公園に向かっていました。ストレッチが終わると13〜14kmラン。練習後は朝食をとって学校に行き、夕方から再び練習。寮から5km離れたグラウンドまでアップしながら向かい、練習後、ダウンしながら帰ってくる。夕食後は身体のケアをして、翌朝の練習に備え22時には就寝。当時はそんな生活に何の疑問も抱いていなかったし、逆にその生活に充実感さえも感じていました。それは箱根駅伝という最終目標があったからこそ。みんなでそこに向け切磋琢磨している環境がモチベーションをあげてくれていたんだと思います。

当時1年だった自分が「4年生になったときに箱根駅伝で優勝しよう」と同学年のチームメイトと目標を掲げ、始まった青学での競技生活はとても厳しくハードでした。それらを乗り越えられたのは、「この仲間たちと、原(晋)監督のもとで強くなって優勝したい」という大きな目標があったからです。

実は、僕が動的ストレッチや静的ストレッチを熱心に行うようになったのは青学時代なんです。入学時は周りに強い選手や先輩ばかりで、このままでは到底、箱根駅伝で走ることはできないという危機感がありました。ただ練習で差をつけるのは無理だと思ったとき、練習以外のところで努力すれば、差をつけられるのでは? と考えたんです。どれも当たり前のことばかりなんですが、実際、時間をかけてやる人が少ない。そこに自分は時間をかけて、それが成果としてしっかり現れた。走る練習以外のところでも時間を使う大切さに気づけたことが、大学時代の成長に大きく繋がったなと思いますね。

【出典】『「山の神」神野大地の必ずやるべきランニングバイブル』 著:神野大地