8大会連続の五輪出場権を獲得したU―23日本代表が6月に欧州遠征を行い、国際親善試合の対戦相手に同モロッコ代表が浮上していることが1日までに分かった。山本昌邦ナショナルチームダイレクター(ND、66)が30日、ドーハ市内で取材に応じ、海外遠征で五輪出場国との対戦を明言。本番の1次リーグはアフリカ勢と対戦するため、仮想敵国として絶好のテストの場となる。3日(日本時間4日午前0時30分)の決勝では16年大会以来2度目の優勝を目指し、ウズベキスタンと対戦する。

 五輪出場決定から一夜明けて、山本NDは次の代表活動となる6月について「(海外に)出る方向で最終調整している」と語った。世界ではU―23代表が活動する国が極端に少ない。マッチメークは難しいが、五輪出場15チームに限るかと問われると「もちろん」と認めた。

 五輪1次リーグの組分けは現在参戦中のU―23アジア杯の結果で振り分けられる。決勝に進んだ日本はC組かD組に入る。そこで浮上したのが1次リーグでは対戦しないB組のモロッコだ。

 ウズベキスタンとの決勝で優勝すればマリと同じD組で、準優勝ならエジプトと同じC組でいずれもアフリカ勢と同組。モロッコとの対戦が実現すれば仮想敵国として絶好の機会だ。大岩ジャパンは3月の国際親善試合でマリと対戦したが、初のアフリカ勢との対戦で独特の間合いや身体能力の高さ、長い脚に苦戦し1―3で逆転負けした。五輪本番前に苦手意識を払拭する場にもなる。

 FIFAランク13位のモロッコはA代表が22年W杯カタール大会で旋風を巻き起こし、4強入りを果たした強豪。五輪世代も23年U―23アフリカネーションズ杯で優勝している。攻撃の要はスペイン1部ベティスでプレーするFWエザルズリで、左ウイングを主戦場とするエース格。A代表でも既に15試合に出場経験があり、22年W杯でも3試合に出場した実力の持ち主だ。

 6月は国際Aマッチウイークで、オーバーエージ(OA)枠を含めたフルメンバーで挑むことも可能だ。A代表は同期間にW杯2次予選を控えるが、既に突破を決めている。森保監督も「大岩監督とも連携して、日本サッカーの強化につながる話をしていきたい」とサポート姿勢を示している。“最強メンバー”で最終調整に臨む可能性も高い。