2023年5月、川沿いのハシゴに挟まったメスのワンコの救出劇がありました。詳しくは、2023年6月28日配信の記事「どうしてこんなことに ハシゴの隙間にはまってしまった犬 地元の人たちや警察消防が連携して救った命」を参照していただきたいですが、このとき保護されたワンコは「銀杏ちゃん」と名付けられ、保護した犬保護団体restartdog LIEN(以下、リアン)の預かりボランティアさんのもとで生活をしていました。

強い警戒心から一変

救出当初は、人間への警戒心から心を開いてくれませんでしたが、次第にリアンのスタッフや預かりボランティアさんのことを「悪い人たちじゃないんだ。救ってくれた優しい人たちなんだ」と思ってくれるようになりました。

シャープなルックスからオスと間違えられる銀杏ちゃん。トイレはお座りタイプで、散歩でもマーキングはしません。むしろ恥ずかしそうに散歩中の1〜2回のトイレで済ませ、ときにはおしとやかに思えるほど。優雅に散歩してくれるようにもなりました。

「もうワンコは飼わない」と決めていたが一目惚れ

そんな銀杏ちゃんがあの日、ハシゴに挟まっていたのかは謎ですが、幸い骨折などはなく健康状態も良好でした。預かりボランティアさんの家にもすっかり馴染んでくれ、リアンでは銀杏ちゃんの里親募集を始めました。

体重13kgと比較的大きめの中型犬ですが、元気でキュートな振る舞いから、里親さんとのマッチングにはそう時間がかからないと思われました。その予感通り「迎え入れたい」という里親希望者さんが現れました。

この里親希望者さんの家にはかつて「りんちゃん」という先住犬がいて、虹の橋を渡った際のあまりの寂しさから「もうワンコは飼わない」と決めていたそうです。しかし、ネットで見た銀杏ちゃんに一目惚れ。熟考を重ね申し出たそうです。

先住犬がこの家へと繋いでくれた

トライアルで行くことになった銀杏ちゃん。当初はやや警戒気味でしたが、里親希望者さんの「おやつで仲良くなろう作戦」が功を奏して、この家庭に馴染みました。また、銀杏ちゃんのために、鶏肉をゆでて与えたところ、うれしさのあまり机の上に乗ってしまったそう。ヘソ天でぐっすり眠るなど、銀杏ちゃんはこの里親希望者さんが大好きになりました。

果たして、銀杏ちゃんはこの優しい家族の一員として正式に迎え入れられることになりました。名前は「銀杏ちゃん」のままで呼称は「ぎんちゃん」となり、先住犬の名前とも語感がよく似たものになりました。

「きっと先住犬のりんちゃんがお空から、ぎんちゃんをこの家へと繋いでくれたんだ」と里親さんは話します。りんちゃん、ありがとう、そして、ぎんちゃん「ずっとのお家」でもっと幸せになってね。

犬保護団体restartdog LIEN
https://restartdoglien.jimdofree.com
リアン・インスタグラム
https://www.instagram.com/restartdoglien/

(まいどなニュース特約・松田 義人)