兵庫県豊岡市は27日、市城崎振興局庁舎の雨どい清掃を巡り、市参事(60)=課長級=が城崎振興局の課長当時、業者が清掃をしていないにもかかわらず代金を支払い、地方自治法令などに反する違法な事務をしていた、と発表した。日付を偽った公金支出伝票も作成された。市は市参事ら関係者の処分を検討する。

 市によると、市参事は城崎振興局の前課長だった2022年度、雨水があふれる局舎雨どいの洗浄を、22年度中に終える了承を23年3月20日、前振興局長から得た。ところが、市内業者との日程調整が22年度中に終わらなかったとみられ、23年度4月上旬に局舎で業者と打ち合わせ後、23年4月、課員に公金支出伝票を作成させ、23年5月に代金17万8200円を振り込ませた。また、本来は支出できない22年度予算のため関係伝票2枚の日付はいずれも23年の1月と3月だった。

 23年度中も清掃はされず、24年度に入って関係職員が現振興局課長に説明し、発覚。清掃しないまま業者は24年6月に返金した。

 市参事は市の調査に対し違法性を認識していたが「23年度の予算は使いたくなかった。5月までの出納整理期間中までに終えればいい」と誤った認識もあったという。冨岡隆・市城崎振興局長は「管理職が進め、課員に指示もした悪質な違法事務を組織としても止められず、深刻に受け止めている。申し訳ございません」と謝罪した。【浜本年弘】