モノであふれる部屋をどうにかしたいと思いながら、忙しさを言い訳につい先送りにしていませんか? 今回は断捨離の提唱者である、やましたひでこさん自身も実践する生活習慣を教えていただきました。「少ないモノでスッキリと暮らす」方法を試してみましょう。
この記事は月刊誌『毎日が発見』2024年4月号に掲載の情報です。
スッキリ暮らす生活習慣
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床やテーブルの上に何も置かないことがスッキリ空間を作る第一歩。
STEP1
捨てられず部屋がモノであふれる段階を知る
●乱雑
収まるべきところに収まらないモノがはみ出して、整頓されていない状態。毎日の生活習慣を意識し、変えていけば片づけられる。
●滞留
乱雑な状態が続くとモノの滞留が起きる。今の空間に対して収納しきれない状態。収納場所に収まらないので手がつかず、放置しがち。
●堆積
滞留の時間が経ち、モノがさらに積み重なった状態。こうなると厄介。時間が経過した分、片づけに多くの時間と手間がかかる。

片づけは目の前のモノをどう収納してきれいな状態にするかに終始しがちですが、断捨離はまず今の状態を見極めることに着目します。
モノが滞ったり積み重なったりしているなら、まずやるべきことは要らないモノを取り除く「分別」です。

STEP2
自分のくせを知る
人間は「取り出す」「使う」ことは得意で、すぐにできても、取り出した場所に「戻す」「しまう」作業が苦手です。
そんなくせを自覚すれば、空間に対してモノが過剰になるほど片づけが面倒になり、後回しにしてしまう、と分かります。
だからこそモノを適正な量に抑えることが最も必要なのです。
そもそも苦手なことを収納に頼るのには無理があります。
いくら収納グッズを揃えてそのとき収まったとしても、また元通りになることが目に見えています。

STEP3
決断の保留をやめる
本当に必要なモノかどうかを判断するとき、判断の保留ぐせを断捨離することが必要です。
いわば意識改革です。
「捨ててあとで困るかもしれないから捨てられない」と保留するなら、一度捨ててみて、困ってみる。
乱暴ですがそれもひとつの方法です。
実際、捨ててみたら案外要らなかったということも多いのです。
片づけ上手な人は放置しないですぐに判断し、片づけます。
出しっ放しで決断の保留ぐせがある人は乱雑な状態から次に滞留、堆積が起こります。
まず決断の保留をやめ、行動の保留もやめましょう。


やましたさんの1日に学ぶ
断捨離的生活習慣5
目の前に入ってくるモノを毎日不要か判断し、捨てているというやましたさん。
シンプルな1日の行動パターンはまさに断捨離的生活です。
教えていただいたやましたさんの生活習慣から、スッキリした暮らしのヒントを見つけ、できることは取り入れてみましょう。
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(1)1日の生活パターンを決めて守る
地方に住む断捨離トレーナーに会いに行ったり、取材などで出かけることも多いですが、家にいるときは起床時間、食事の時間や回数、家事、仕事、就寝時間などが決まっています。
(2)お風呂に入ったら湯を落とし掃除
朝風呂が基本ですが、入った後は浴槽の湯をすぐに落とし、掃除をして、水気をきれいに拭き取ります。そうすると次回入るときもすぐに湯がためられ、ラクで合理的です。
(3)汚れモノはためずに洗濯
お風呂に入った後は脱いだモノ、タオルなど少量であっても放置しないですぐに洗濯します。濡れたまま放置することはありません。先送りしないですぐにやるくせにつながります。
(4)断捨離、掃除は毎日する
毎日断捨離するので、目の前に入ってきたモノは要る、要らないで分別して、その都度捨てます。それが片づいたら掃く→拭く→磨くという流れで掃除をします。ピカピカにすれば完璧。
(5)不快な人間関係はこちらから控える
おつき合いは本心からのものだけに限定。それ以外はやんわり、でもきっぱり断っています。会食の機会も多いですが、本当に行きたいときだけで、ただのつき合いでは行きません。
取材・文/細川潤子 撮影/原田 崇



<教えてくれた人>

やましたひでこさん

一般社団法人 断捨離(R)代表。ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」に着想を得た「断捨離」を日常生活の片づけに落とし込み、提唱する。著作・監修を含めた関連書籍は国内外でミリオンセラーに。