物流企業のC&Fロジホールディングスは7日、同社の完全子会社化を目的に5月2日に始まった同業大手のAZ‐COM丸和ホールディングスによるTOB(株式公開買い付け)に対する意見表明について、留保すると発表した。複数の真摯な対抗提案が寄せられており、当該対抗提案との比較を含めて慎重に検討したうえで、TOBに賛成か反対かの意見を表明するとしている。

AZ‐COM丸和は3月21日、5月上旬をめどにTOBを開始する予定を公表した。これに対し、C&FロジはTOB受け入れの是非を諮った特別委員会との連名で、開始時期を少なくとも5月末に延期することを要望。初期的な対抗提案にかかる意向表明を複数受領しているとし、さらに株主の利益を確保するために必要と判断される場合、買収防衛策などの対抗措置の導入を検討せざるを得ないとしてきた。

一方、AZ‐COM丸和はTOB開始を延期せずとも対象者株主の利益は損なわれないばかりか、早期に売却機会を提供することこそが対象者株主の利益に資するとして、C&Fロジの同意を得ないまま、TOBをスタートさせた。買付期間は5月2日〜6月17日の31営業日。買付代金は最大649億円。

C&Fロジ株の買付価格は1株あたり3000円。ただ、大型連休明け7日の同社株式の終値は3315円で、市場価格が買付価格を大きく上回り、このままの水準が続けば、TOBの成立が困難視される。