鹿児島県警の相次ぐ不祥事を受け、警察庁は24日、県警に対する特別監察を始めた。片倉秀樹首席監察官をはじめ、人事課監察官、同課課長補佐の計3人を派遣し、非違事案の原因究明や再発防止策を指導する。7月にも取りまとめる。

 特別監察は記録が残る2011年以降、12年の愛知県警、14年の大阪府警と岡山県警に続き4例目。警察庁は同日、「きめ細かく指導し、鹿児島県警がスピード感を持って取り組むよう担当者を常駐させ、厳正な監察を実施する」とのコメントを出した。

 県警では4月以降、職務上知り得た秘密を漏らしたとして、前生活安全部長(60)が国家公務員法(守秘義務)違反罪で起訴された他、曽於署巡査長の地方公務員法(守秘義務)違反、県警本部公安課課長補佐の警部による不同意わいせつ、枕崎署巡査部長の盗撮容疑があり、いずれも起訴されている。

 県警は「監察を重く受け止めている。県公安委員会の管理の下、警察庁からの指導を踏まえつつ再発防止に取り組み、県民の信頼回復に努める」としている。

 警察庁はコメントで、前生活安全部長が「野川明輝本部長が県警職員の犯罪行為を隠蔽(いんぺい)しようとした」と主張していることについて、「調査の結果、客観的に見て隠蔽の指示はなかった」との結論を示した。一方で「迅速、的確に行わなければならない捜査の基本に欠けるところがあった」ことを理由に、野川本部長を21日付で警察庁長官訓戒の処分にしたとしている。