東京・赤坂のクラブ「シルビー」で関東在住の鹿児島県出身学生と年長者らが交流を深める「関東わけもん交流会」が開かれている。毎月鹿児島にゆかりのある講師を迎え、世代を超え意見を交わす。クラブオーナーの江藤昭子さん(83)は「ここで築いた人脈や得た学びを、いつか鹿児島に還元してほしい」と願っている。

 江藤さんは鹿児島市出身で甲南高校卒業。新型コロナウイルス禍を境に対面する機会が減り、人とのつながりが希薄になったことを憂い、クラブの場所を提供し交流会を開くことを企画。昨年3月から始めた。参加費は学生が無料。30歳以下も3000円に抑え若者の参加を促している。

 16回目は6月27日にあり、屋久島を舞台にした映画「あまのがわ」を上映。鑑賞後に監督の古新舜さんが講演した。社会課題をテーマに作品づくりを続ける古新さんは「見方を変えれば短所が長所になる。それが相手を尊敬することにつながる」と訴えた。

 昨年から参加を続ける甲南高卒で慶応大学3年の大山永遠さん(21)は「大先輩たちの話はとても勉強になり、いい縁を築ける」と笑顔。鹿児島市出身で、鹿児島奨学会の学生寮「同学舎」を通じ交流会を知った東京農業大学3年の森遼太さん(21)は「普段は学生としか関わりがないので、年長者との交流の場は貴重」と話した。

 江藤さんは「鹿児島のために少しでも加勢をしたい。若い人たちに気軽に参加してもらえたら」と話した。