バイオリニストの李文佳さんと夫・ショーケイさんによるバイオリン&ピアノの二重奏のコンサートが5月12日、小鹿野町の原島達明さん宅にある「Hall REISUI(ホールレイスイ)」(三田川地区)で開かれた。同ホールでのコンサートは13回目で、今回の来場者は95人。(秩父経済新聞)

 左から李文佳さん、原島教道さん、ショーケイさん

 当日は抹茶と菓子を提供したほか、飲食店4店でサービスや割引が受けられるチラシも配った。「大げさなことをしてしまえば風呂敷が大きくなるので、細く、長く、地道に続けることが大事」と原島さんは話す。 

 バイオリニストの李さんは東京音楽大学卒業後、オーストリアアレグロヴィーヴォ祭で演奏した。「第7回大阪国際音楽コンクール」のアンサンブル部門で3位入賞。NHK文化センター講師番組にも出演し、オーケストラとバイオリンのための協奏曲を演奏している。現在は市民講座や大学で演奏者兼講師を務める。

 曲目はクラシックのほか、ポップス、カントリー、映画音楽、夫婦のオリジナル編曲も取り入れた幅広いジャンルを演奏。司会を務めた原島さんの三男・教道さんがチェロで加わる曲や、観客参加型で日本の名曲を歌う場面もあった。

 演奏の合間には2人が楽器を紹介したり、バイオリンにまつわる話や技法の説明を行ったりした。指で弦を弾くピチカート奏法や、口笛のような音色のフラジオレット奏法を取り入れた演奏や説明に来場者は聞き入った。

 参加した50代女性は「チラシを見て来た。昨年も参加した母が『今年もぜひ行きたい』と言うので、母と義父母と4人で来場した。こんな立派なホールがあることを知らなかった」、一緒に参加した80代女性は「茶室の畳で鑑賞できて、とてもいい。チラシのサービス付きの店にも家族で行ってみたい」と、それぞれ話していた。

 サービスを提供したのは同地域にある「喫茶&お食事ひろば」「観音茶屋」「santa cafe(サンタ カフェ)」「神田寿司」の4店。「喫茶&お食事ひろば」店主の武川幸広さんは「店はメイン通りから離れている場所にあり、普段は主に地元のお客さまが来てくれる。コンサート後に今まで来たことのない人が来てくれるので、コンサートの恩恵を受けられてありがたい」と話す。

 「サービス付きチラシを利用した人は最初5〜6人だったが、徐々に増えて25人になった。来場者が店に寄ることで店の名前も広まり、地元が活性化していいのでは」と原島さんは話す。

 次回は10月19日に尺八とチェロの演奏会を予定している。