福井の伝統工芸アイドルグループ「さくらいと」が4月28日、サンドーム福井(越前市瓜生町)でライブイベント「サクライロ革命」を行った。(福井経済新聞)

 「勝ったもどうぜん」では、福井丸岡RUCKのメンバーも登場。ステージは華やかな雰囲気に包まれた

 2019年7月にデビューした同グループにとって初のサンドーム公演。「福井県出身者のみでつくられたグループとしては初めて」(プロデューサーの川縁圭志さん)というサンドーム福井でのワンマンライブで、メンバーの護國まいさん、彩葉わかなさん、神楽ひよりさん、朝日奈花子さん、陽向芽衣さんの5人が、約2500人の観客を前に伸び伸びしたパフォーマンスを繰り広げた。

 ライブは17時に始まり、約2時間のプログラムで展開。曲目はアンコールを含め19曲で、デビュー曲「水灰色グラデーション」、女子フットサルチーム「福井丸岡RUCK」応援曲「勝ったもどうぜん 〜何度でもバモー!〜」、「だんね〜ざ 〜福井弁の唄〜」「SHIKIBU」など福井ゆかりのアーティストのカバー曲、グループ内ユニット「五月日和」の「original light」、新曲「サクラ咲くよ。」などで構成した。

 護國さんと彩葉さんによる「水灰色グラデーション」の場面では、越前指物や越前漆器などの技術で作られたオリジナル松葉づえが小道具として登場した。松葉づえは2021年、足の受傷で療養中だった護國さんが考案し、職人たちの協力の下で実現した一点物。新型コロナの影響で活動が制限された時期を思い出させるような演出に、涙ぐむファンの姿もあった。

 中盤のショートムービーをきっかけに、5人は朝日奈さんがデザインしたという新衣装にチェンジ。新曲「スマイルゴールデンシャイニー」のイントロとともに色とりどりの衣装に身を包んだメンバーが舞台に現れると、ペンライトに彩られた客席から大きな歓声が上がった。「ここからは写真・動画撮影OK」という呼びかけもあり、「推しメン」をスマートフォンに収める様子が見られた。

 結成以来のコンセプトである「福井の伝統工芸を応援するアイドル」にちなみ、護國さんによる紙すきや、彩葉さんによる打刃物の銘切りの実演もあった。産地の職人に手ほどきされたという腕前はステージ左右の大型スクリーンにも投影され、ファンは「よっ、職人」「銘切りの音がいい」と応援の声をかけていた。

 ライブを終えた5人は、「皆さんのおかげでコンサートが実現でき、感謝の気持ちでいっぱい」(陽向さん)、「楽しいこともつらいこともあったが、皆さんと一緒だったから乗り越えることができた」(朝日奈さん)、「素晴らしい景色を見ることができ、さくらいとを続けていて本当に良かった」(神楽さん)、「『サンドームでライブをする』と言い続けてきたことが実現してうれしい」(彩葉さん)、「『サクライロ革命』大成功の一言に尽きる」(護國さん)とそれぞれ振り返った。

 ロビーでは、越前市在住のデザイナー・aiMIKIさんと福井市の織りネームメーカー「日本ダム」が手がけたタペストリーなど、メンバーをイメージしたプロダクトの展示もあった。親子連れで訪れたという福井市在住の30代男性は「地元の子たちが成長して大舞台に立った姿に感動した。次の世代の子どもたちの励みにもなるはずで、さくらいとにさらに福井を盛り上げてもらえれば」とエールを送った。