オーダーメード家具や木工雑貨を扱う「KD CRAFTギャラリー」(今治市土橋町)がオープンして、4月15日で1カ月を迎える。(今治経済新聞)

 今治にオーダーメード家具店、一点物の商品がずらり。

 家具店「近藤木工」(上徳)のショールームとして、3月15日にオープンした。同社は1970(昭和45)年創業。これまでは主に店舗や学校などの法人向けに、オーダー家具の製造を手がけてきた。

 ショールームの運営を主導するのは、関東からUターンした今治市出身の近藤達矢さん・雅貴さん兄弟。2代目となる現社長の長男・次男となる。

 達矢さんは「幼い頃から創業者の祖父や父の元でものづくりの現場を見てきて興味があった」という。東京でも製造業に就いたが、家業を継ごうと決め、数年前から東京を拠点に「近藤木工」に合流。昨年、31歳でUターンを決めた。

 雅貴さんは東京で公務員を経験。「父には当初、転職することに反対もされたが、職を変えてでも家具職人に挑戦したかった」と話す。妻や子どもと共に今年2月、30歳でUターンした。

 2人のアイデアもあり、同社は数年前、「KD CRAFT」のブランドで一般向けの家具や木工雑貨のオンライン販売をスタートした。「創業から50年以上がたつ歴史のある会社であるにもかかわらず、法人向けという性質上、一般に知られていない現状があった。もったいないと思った」と達矢さん。海外の流行を取り入れ、自社の技術を使ってレジンを使った家具作りにも6年ほど前から挑戦している。オンラインでの反響もあり「実際に展示して直に見てもらえる場所を作ろう」と、ショールームのオープンを決めた。

 ショールームでは、複数台のレジンテーブルのほか、腕時計スタンドやコースターといった雑貨類、レジンアートなども展示・販売する。オーダー家具にも対応し、店内には打ち合わせスペースも設置。今後はワークショップなども企画していくという。

 幼い頃からレスリングでも活躍してきた2人。高校はそろって八幡浜工業高校に進学し、大学もレスリングで兄弟共に専修大学に進んだ。「高校ではレスリングに熱中していたが、所属していた土木課では授業でCADや測量も習った。今も家具の設計で知識が生きている」という。

 今後は「職人に学び、知識を習得したい」と達矢さん。「社員の中には職人歴が40年を超える人もいる。きりだんす職人だった祖父の時代から蓄積されてきた社内のノウハウを受け継ぎ、まずは図面を書けるようになりたい」とも。

 雅貴さんは「世界に知られる存在を目指したい」と話す。「SNSなどで世界に発信していきたい。今治を訪れる人に立ち寄ってもらえる場所になれれば」と意気込む。

営業時間は10時30分〜18時。火曜・木曜・日曜定休。土曜不定休。