カフェが併設したファーマーズマーケット「ベジとテーブル」(辰野町赤羽)が馬渕商店内にオープンして、4月8日で2カ月がたった。(伊那経済新聞)

 地場産の野菜を使った日替わりの総菜を販売する

 同店は農産物を栽培するグループ「ベジと明日」が運営。団体名には「野菜と明日と私たち 全てを豊かに」という思いを込める。席数は、カウンター5席、テーブル4卓8席の計13席。「スープとごはんセット」(300円)のほか、総菜を購入して店内で温めて食べることができるランチプレート(1,500円程度、要事前予約)も提供する。キッズスペースも備える。

 店内では、ジャムやウスターソースなどの加工品のほか、地場産の米や雑穀、エゴマ油なども並べる。同店のお薦めは、ぼたんこしょうを刻んで醤油こうじと練り合わせた「ぼたんこしょう南蛮味噌」。甘辛い味が特徴で、ご飯やきゅうりに乗せて食べる。

 代表の木建景さんは、辰野町の集落支援員として地産地消の推進を行い、給食食材に地場産野菜を普及させる活動に取り組んできた。「町内の自給率が低いことや、一斉に同じ野菜が出荷されることで余剰野菜が出てしまうことに課題を感じていた。一方で、場所を提供する馬渕商店では野菜などを町外に卸しているが、運送コストが高いことや、同じく余剰野菜の課題を抱えていた。町内で生産された野菜を日常的に町内で消費する仕組みができないかと考え、辰野町の野菜と経済が循環する場として当店をオープンした」と振り返る。

 スタッフは移住した子育て中の女性。「子育てと両立させながら、都会ではできない、この地域ならではの仕事ができるのが魅力」だという。現在は6人のスタッフが、畑で野菜を生産し、総菜を製造販売している。スタッフの大浦晴菜さんは子どもと一緒に出勤し、子どもを見守りながら働いている。「アットホームな店なので、子どもからお年寄りまで、家庭に帰るかのようにフラッと来てくれたらうれしい」と話す。

 木建さんは「農家が作った野菜が消費者に届くまで見えるような場にしたい。野菜の販売先ができることで、農業の後継者が増えれば」と期待を込める。

 営業は火曜〜木曜の11時30分〜16時。営業時間の変更や日替わりの総菜メニューはインスタグラムで知らせる。