ファーマーズペストリー「わんぱく堂」(北杜市武川町宮)が4月12日、北杜市武川町にオープンする。(甲府経済新聞)

 北杜にファーマーズペストリー「わんぱく堂」 地産地消の食材で調理

 店主の窪田多加成さんが妻の沙弥香さんと営む同店。多加成さんは山梨県出身。美容系専門学校で広報の仕事をしていた際、カリキュラムの中にマクロビや農業があったことで興味を持ち、趣味で市民農園を借り、野菜作りを始めた。2016(平成28)年に退職、2017(平成29)年に県立農業大学校で果樹園について学ぶ。北杜市で「生活をしながら『きれいな水』で農業をしたい」という思いから、2018年には白州台ケ原でブドウ農園、韮崎市新府で桃農園を経営しながら、農業大学校の実習助手を2022年まで務めた。沙弥香さんは静岡県出身。亀まんじゅうの「かめや本店」3代目の長女で、パティシエを目指して都内の専門学校で菓子作りを学び、卒業後は都内のクッキングスタジオで菓子教室の講師をしたり菓子メーカーで商品開発に携わったりした。2人が結婚する際、沙弥香さんの夢は自分たちの店を持つことだったと
いう。

 武川町で生活しながら農業をしていた2人は武川町が気に入り、「この場所で店を持ちたい」と2022年に築70年住宅を購入して改装した。6坪ほどの店内は木目を基調にして、「温かい雰囲気」になるよう意識したという。

 メニューはテイクアウトのみで、旬の果物や野菜を使った週替わりの「パイ」(4種、380円〜)と「キッシュ」(4種、420円〜)のほか、パンやタルト、コンフォートなどを並べる。食材は、自ら栽培した果実や近隣の農家から仕入れた野菜、明野の卵など地産地消を心がけている。

 多加成さんは「北杜市かいわいは八ヶ岳観光圏だが、醸造用ブドウを除く生食用果樹の生産・販売は少なく、新規就農者で果物を直売する人はほとんどいないところに目をつけ、あえてこの地域で果樹園を始めた。料理、お菓子作りを得意とする妻とのコラボで、念願の店が実現できてうれしい」、沙弥香さんは「自分たちの子どもの健康のために、胸を張って食べさせるものを販売したいという思いでやっている」と、それぞれ話す。

 営業は木曜〜土曜の11時〜16時。売り切れ次第終了する。