「クマガヤアツONフェス」が4月28日、八木橋百貨店(熊谷市仲町)カトレアホールで行われた。(熊谷経済新聞)

 熊谷市親善大使の相島一之さん。地元熊谷でエンタメフェスを初開催した

 熊谷市親善大使の相島一之さんが、地元熊谷で初開催したエンタメフェス。「熊谷を盛り上げるではなく、熊谷で盛り上がりましょう」を合言葉に、音楽だけでなく、さまざまなエンターテインメントで年代を問わず盛り上がり楽しめるフェスを目指した。

 きっかけは昨年11月、相島さんが地域コミュニティーラジオ「FMクマガヤ」に出演した際、八木橋百貨店の営業推進販促・企画シニアアドバイザー・宮地豊さんから「ゴールデンウイークにカトレアホールが空いているけど、何か面白いことをやらないか」と声をかけられたことから。相島さんは「小屋代(施設利用料)はいらないからやってみないか、と言うのはけんかを売られたみたいで、よし、やってやろうと思った」と振り返る。2月にFMクマガヤの宇野元英局長と相島さんが2人で、熊谷駅から八木橋百貨店に向かう道中に出会った地元民へイベントを宣伝しながら歩く動画を公開。ロケ中にイベント出演者が決まったという。

 イベントは音楽ライブとトークショーの2部構成。第1部の「SPECIAL MUSIC LIVE」は、熊谷を拠点に活動する「Comode」と相島さんが組んだ一夜限りのバンドをバックに、熊谷に縁のある歌手やタレントが次々歌を披露した。俳優の依田哲哉さんと浴衣姿の「打ち水ダンサーズ」がひしゃくを片手に登場して「打ち水ソーレアッチイぞ!Kumagaya」を歌い、ジャズボーカリストmasumiさんの歌に相島さんがハーモニカでセッション。シャンソン歌手の内野謙さんが「群衆」、平成のツッパリねぎ坊さんが「ナナハン小僧のテーマ」、熊谷市で飲食店を営むタレントの俄然風太さんが「僕が死のうと思ったのは」、オペラ歌手の原田勇雅さんが「オー・ソレ・ミオ」を歌った。

 俳優・松尾貴史さんの手品から始まった第2部は、相島さんと松尾さんのトークショーに放送作家・鶴間政行さんも加わり、話し方講座に発展。鶴間さんの題目で依田さん、相島さん、松尾さんが即興コントを行い、鶴間さんが実況する場面もあった。終盤には、「50歳ごろに病気で死にかけて、やりたかったことをやろうと思って2013年にヤスとバンドを組んだ。ブルースというと淡谷のり子さんのように悲しい曲を思い浮かべると思うが、実はブルースは男と女の歌がほとんど。チューしたいとかね」と話し、相島さんが4曲を披露。最後は会場全体で「上を向いて歩こう」を合唱した。手拍子をしながら口ずさんだ女性は「ブルース、ロック、ジャズ、シャンソン、オペラなどいろんなジャンルの曲を聞けて楽しかった。最後の合唱は会場が一つになったみたい」とうれしそうだった。

 イベント終了後、相島さんは「すごい楽しかった。たった2カ月で動いてくれたスタッフの皆さん、参加してくれた皆さんのおかげ。もっと手作り感な感じになるかと思ったら、それ以上のものになった」、宮地さんは「熊谷の多彩な人たちがたくさん出てくれた。年配の方も多かった」と話した。音楽プロデューサーを務めたComodeの松井清代表は「このイベントをきっかけに、また相島さんと何かできたら」と笑顔を見せる。