県外・国外からの来訪者に向けた取り組み強化を進めているIGRいわて銀河鉄道(盛岡市青山2)が6月8日・9日、大型音楽イベント「チャグチャグロックフェスティバル」などのイベント開催に合わせた臨時列車を運行する。(盛岡経済新聞)

 ウェブサイトにのみ掲載している英語版パンフレット

 同社管内の滝沢市では両日、「ツガワ未来館アピオ(岩手産業文化センター)」を会場に同フェスをが初開催。8日には滝沢市から盛岡市まで馬が行進する伝統行事「チャグチャグ馬コ」も開催されることから、2つのイベントに合わせた臨時列車を運行する。

  臨時列車は「チャグチャグロックフェスティバル」来場者向けに盛岡から滝沢方面に向かう下り列車8本と、同イベントの終了時間帯に合わせた滝沢から盛岡方面への上り列車4本を2日間、チャグチャグ馬コの観覧に便利な列車として上り列車1本を8日に運行予定。

 同フェス会場に向かう有料シャトルバスの発着地点である滝沢駅は通学・通勤での利用者が多く、1日の利用人数は3000人ほど。同社広報企画グループの大崎?華琳さんは「来場者全員がIGRを利用するわけではないが、数時間で1日の利用者数ほどの人が電車で滝沢駅まで移動することも想定できる。その多くは県外から訪れた人だと考えられる」と話す。

 昨年からは県外在住者と訪日外国人限定で同社線内を乗り放題利用できるデジタルチケット「IGRワンデーパス・ツーデーパス」も販売。昨年度で販売終了する予定だったが、本年度も販売を継続している。

 同チケットの販売をきっかけに、英語版パンフレットを刷新。岩手県や沿線市町が組織する「いわて銀河鉄道利用促進協議会」の事業の一環として、昨年3月に制作した沿線市町の魅力などを紹介するパンフレット「IGRで行く さんぽ旅」の内容を元に、日本語から英語に直訳すると伝わりにくい表現や、日本文化に慣れていない人には分かりにくい説明は避け、伝わりやすい英語に翻訳した。訪日旅行者の多くはネットなどで下調べをしてくることから、英語版パンフレットはウェブサイトでの掲載に限定している。

 パンフレットは沿線の盛岡市・滝沢市・岩手町・一戸町・二戸市から情報提供を受け、県外・国外からの来訪者の移動手段が限られていることから、徒歩で行ける場所を中心に各市町の担当者が勧めるスポットや季節のイベントなどを紹介。大崎さんは「これからも沿線市町の観光やイベントを一緒に盛り上げていきたい」と話す。