「2024啄木祭」が6月1日、盛岡市渋民文化会館「姫神ホール」(盛岡市渋民)で開催される。(盛岡経済新聞)

 「啄木祭」は年に1度、盛岡出身の歌人・石川啄木をしのぶとともに、親しみを持ってもらおうと、啄木にちなんだトークや朗読、演奏などを行うイベント。2022年にはアニメ「啄木鳥探偵處(きつつきたんていどころ)」で啄木役を演じた浅沼晋太郎さん、昨年は啄木ファンで渋民にも何度か訪れている吉田類さんをゲストに迎え、大きな反響があった。

 石川啄木記念館の学芸員・藤田麗さんは「ゲストによって来場者の層が大きく変わるのも啄木祭の特徴。幅広い世代の皆さんが、啄木に興味を持ってもらうきっかけになればうれしい」と話す。

 今年のゲストは岩手県出身の声優・桑島法子さん。以前から「啄木祭のゲストに桑島さんを呼んでほしい」という声があり、今回実現したという。桑島さんは宮沢賢治作品の朗読ライブ『朗読夜』をライフワークとして全国各地で開いていることから、賢治作品のイメージを持っているファンも多い。出演についてやりとりする中で、桑島さんからも「啄木にはあまり詳しくないけど大丈夫か」と申し出があったという。藤田さんは「今回は桑島さんや来場者の皆さんと一緒に啄木について学んで、親しんでいこうという形にできれば」と笑顔を見せる。

 当日は2部構成で、第1部では地元の渋民小学校鼓笛隊による演奏や、渋民中学校の群読劇、コーラスグループ「コールすずらん」による合唱を披露。第2部は「『声』で親しむ啄木の世界」と題し、桑島さんのトークと啄木作品の朗読を行う。

 トークイベントに向けて、桑島さんへの質問を募集。5月24日まで石川啄木記念館ウェブサイトの問い合わせフォーム、X(エックス)での投稿、郵送、持参で受け付ける。Xでの投稿の場合は、ハッシュタグ「#2024啄木祭」を付ける。

 藤田さんは「啄木といえば歌人としての面が知られているが、詩人としてスタートし、小説や文学評論も執筆している。朗読作品の一つ、『家』は啄木が晩年に理想の家について書いた詩。短歌作品とは違った印象を受け取ってもらえると思う。桑島さんの声を通じて、啄木の文学面の多彩さや新たな一面を知ってもらえるのではないかと楽しみにしている」と話す。

 13時30分開演。料金は前売り=1,000円、当日=1,300円。姫神ホール、石川啄木記念館臨時窓口、盛岡市民文化ホール、プラザおでって、盛岡市文化振興事業団インターネットチケットサービスなどで取り扱う。