オクラレルカの花が現在、大宜味村喜如嘉で見頃を迎えている。(やんばる経済新聞)

 100円の無人販売所も

 約3ヘクタールの元水田に、約300万株のオクラレルカ(和名アイリス)が咲き誇る同所。沖縄県内でも有数のオクラレルカの名所「喜如嘉のターブク」として、紫色の花が訪れる人の目を楽しませている。

 開花のピークに合わせて毎年設置される無人販売所も開かれ、1束5本=100円で販売されている。喜如嘉区区長でオクラレルカ農家の前田貞夫さんによると、ピークは4月10日ごろで、中旬まで楽しめる。

 同所はかつて水田でイグサが栽培されていたというが、1976(昭和51年)からの水田の土地改良事業により生産が減少したことから、代替の作物として1980年代にオクラレルカの栽培が開始されたという。現在では、3軒の農家がオクラレルカを栽培し、生け花などの花材で使われる葉を全国に出荷している。

 前田さんは「20年ほど前の生産ピーク時には畑が300ヘクタールもあり地域も潤ったが、高齢化から農家も減ってしまった。それでもこうして毎年、遠方からも見に来てくれる人が多くいてうれしい」と目を細める。「喜如嘉の環境や自然を散歩しながら体感してもらえたら」とも。