「葉山つつじ祭り」が1995(平成7)年以来、約30年ぶりに「花の木公園」(葉山町堀内)で開催され、家族連れなどでにぎわった。(逗子葉山経済新聞)

 高校生らの演奏。ツツジの満開は10日ほど前だった

 ツツジは1980(昭和55)年に町花に制定された。1950(昭和25)年に開設された同園では1965(昭和40)年ころから植栽が始まり、毎年4月中旬に約1万5000株が咲く。園前には1966(昭和41)年、町福祉会館が完成し、その翌年に「つつじ祭り」が始まった。

 ツツジの満開時期は過ぎていたが、キッチンカーなどが出店し、ベリーダンス、逗子葉山高校の吹奏楽部の演奏、高校生グループ「ブルースターハーモニー」の合唱などが披露され、対談「葉山昔話」では海の家「オアシス」を立ち上げたマーシーさんや、小学生の頃から山で遊び、現在も山の保全に取り組む田中直彦さんの話に参加者が耳を傾けた。

 主催した町民団体「葉山百年会」は町が募集している100周年事業の補助金は申請せず、100周年を自分たちの手で盛り上げ、祝いたいという気持ちの出店者や協力者で開催した。

 町内に残る8ミリフィルムを集めている町民団体「シネマチェルキオ葉山」(堀内)の高木雛さんは、これまで収集した中から1970〜1980年代の「つつじ祭り」の様子をループ上映し、15時からは同時代の葉山マリーナや海岸の様子が映ったフィルムなどを紹介した。「父や祖父などから聞いていた昔話を映像で実際に見ることはすてきなこと」と話す。現在、提供されたフィルムをデジタル化し、「100周年記念映画」を制作中で来年1月に上映会を予定している。

 主催者の一人、大塚裕也さんは「葉山芸術祭など同時期のイベントと重ならないように日程を決めたので、ツツジの満開時期とはずれてしまったが、フィルムで昭和時代のつつじ祭りのにぎわいぶりを見てもらえた」と話し、「町制100周年を知らない町民もまだまだ多いので、そのことをまず知ってもらい、これから開催される100周年事業につないでいき、盛り上げていければ」と力を込める。