2023年5月26〜28日、スーパー耐久シリーズ第2戦『NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース』が富士スピードウェイで開催される(26日は予選)。日中の時間が長いこの時期は気候も良く、場内でキャンプやBBQを楽しみながら観戦するには最高。クルマ好きとカートで遊んだり、家族や仲間とアトラクションで遊んだり、レースだけでなくイベントとしても盛り上がりを見せる。世界各国で24時間レースが行われるが、富士SUPER TEC 24時間レースも「日本版ニュルブルクリンク24時間」として世界的にも注目されている。

クラスごとに激しいバトルが繰り広げられる

富士SUPER TEC 24時間はスーパー耐久シリーズのハイライトと言えるレース。この大会のみのスポット参戦も可能なこともあり、8クラスに実に52台がエントリーしている。

スーパー耐久シリーズはプライベーターが主役のレースシリーズで、総合優勝というものはなく、それぞれのクラスごとにタイトルが争われるのが特徴となっている。

総合優勝というものはないが、いわゆる総合優勝、トップ争いを繰り広げるであろうST-Xクラスには5台が参戦する。FIA GT3公認車両が集結するこのクラスには、GTR GT3、レクサスRC F GT3、NSX GT3、メルセデスAMG GT3などの強豪がひしめいている。

FIA GT4規定車両のST-Zクラスは10台がエントリーする激戦区。中嶋一貴の参戦で話題のTEAM IMPUL Zや本山哲とジュリアーノ・アレジのポルシェケイマンGT4 RS CS、牧野任祐と影山正美が加わったアウディR8LMS GT4などのバトルは見逃せない。

メーカーの開発車両が参戦するST-Qクラスには6台がエントリー。ニッサンZ レーシングコンセプト、HRCのホンダ・シビック・タイプR CNF-Rが注目される。また、液体水素を使用してデビュー戦となるGR カローラ H2コンセプトには、元WRCドライバーで現在はトヨタWRCチームの監督を務めるヤリ-マティ・ラトバラが、シーズン中の過密スケジュールの中で参加する予定だ。

このほか、1500cc以下のST-5クラスには12台、1501cc〜2000ccまでのST-4クラスには7台、2001cc〜3500ccまでの後輪駆動のST-3クラスには3台、2001cc〜3500ccまでの四輪駆動及び前輪駆動のST-2クラスには5台、ST5〜ST2以外のST-1クラスには2台が参戦。

各クラスで多くの見どころがある「富士SUPER TEC 24時間」。すべてのクラスを見るのが難しいのであれば、好きなドライバーやチーム、関心のあるクラスに絞って注目して観戦するのもいいだろう。

これっきり? トヨタの中嶋一貴がTEAM IMPULから参戦

さまざまな話題で盛り上がる中、大きな注目を集めているのが、TOYOTA GAZOO Racing EUROPE(TGR-E)副会長である中嶋一貴が、ナニワ電装TEAM IMPULから参戦して日産のフェアレディZのステアリングを握ること。

中嶋一貴はトヨタでキャリアを重ねてきたドライバーであり、今やTGR-E副会長となっている彼がプライベート参戦とはいえ日産のマシンで参戦するとは驚きだ。

しかもTEAM IMPULからは、2021年限りでスーパーGTを退き、インパルの取締役、そして今季はTEAM IMPULの監督を務める星野一樹もドライバーとして参加する。

ともに偉大なレーシングドライバーを父にもつ中嶋一貴と星野一樹のふたりが「富士SUPER TEC 24時間」でチームメイトとしてどんな活躍を見せるのか、夢のような舞台となりそうだ。

なお、タイヤを供給するハンコックの工場が火災に見舞われたため、今回の第2戦ではブリヂストン(ST-4とST-5については、このレースではブリヂストンの市販タイヤ)のタイヤを使用して行われる。

レースの当日の天候も含め、不確定要素は多い。各クラスの優勝予想だけでなく、注目ポイントは数えきれない。

富士SUPER TEC 24時間は、5月27日15時にスタート、翌28日15時にフィニッシュを迎える。