『陽だまりの彼女』(13)、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(16)の三木孝浩監督最新作の製作が決定。主演を中島健人、ヒロインをmiletが務めることが明らかになった。

本作は、いちばん大切な人と出逢わなかった、“もしもの人生“を描くファンタジック・ラブストーリー。「リク」と「ミナミ」は、大学時代に互いに一目惚れして結婚した。小説家を目指していたリクはミナミに支えられながら、一気にベストセラー作家に。一方で、歌が好きだったミナミは歌手の夢を叶えることが出来ないまま、仕事で忙しいリクとのすれ違い生活に孤独感を覚えていた。そんなある日、リクの心無い一言をきっかけに2人は大喧嘩。翌朝リクが目覚めるとそこにはミナミの姿はなく、出版社での打ち合わせに向かうも出会う人々と全く話しが噛み合わない。なんと人気作家であったはずのリクは、文芸誌の一編集部員になっており、街には天才シンガーソングライターとして活躍する、自分と知り合っていない「前園ミナミ」の姿と曲が溢れていた。困惑しながらもリクは、人生の全てを取り戻そうと奔走していく。

主人公の神林リクを演じるのは、ドラマ「未満警察 ミッドナイトランナー」、「シッコウ!!〜犬と私と執行官〜」、『桜のような僕の恋人』(22)、『ラーゲリより愛を込めて』(22)、『おまえの罪を自白しろ』(23)や、2024年世界同時放送&配信予定のHuluオリジナル海外ドラマ「Concordia(コンコルディア)」(仮題)にも出演している中島。演技の幅を広げ俳優としてのキャリアを重ねる中島が、夢を追いかけていた大学時代から成功、挫折を経て、全てを取り戻そうと奔走する20歳〜30歳の主人公に扮し、30歳を迎える節目の年に本格ラブストーリーに挑む。ヒロインの前園ミナミを演じるのは、シンガーソングライターのmilet。4年連続でNHK紅白歌合戦に出場、東京2020オリンピック閉会式での歌唱に加え、「鬼滅の刃」“刀鍛冶の里編“のオープニング&エンディング主題歌でのMAN WITH A MISSIONとのコラボも話題に。さらに数々のドラマ主題歌を手がけ、海外でのライブも人気を集めている。本作が映画初出演となるmiletは、シンガーソングライター活動と、すれ違いの結婚生活に不満を募らせる妻という、振れ幅の大きい演技に挑戦する。

本作は、日本で2021年に公開されたフランス映画『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』(21)をもとに、現代の日本ならではの舞台、キャラクター設定に一部改変し、リメイク。作品タイトルは追って発表される。メガホンを取るのは、恋愛映画の名手、三木。瑞々しく透明感のある映像と、温かい眼差で描かれる登場人物の心理描写に定評があり、これまでも劇中で音楽を印象的に描いてきた三木の真骨頂と呼べる演出と最旬のキャストとのタッグに期待が高まる。

中島&miletをキャストに迎え、三木監督が新たに放つ人生のifを描くファンタジック・ラブストーリー。はたして中島扮するリクは、人生の全てを取り戻すことができるのか?続報に注目しよう。

■<キャスト&スタッフコメント>

●中島健人(神林リク役)

「『誰もが大共感できる最高の恋愛映画』に出逢えた気がします。ずっと憧れだった三木監督のもと、神様のいたずらのような恋物語を描けることが夢のようです。これまで監督が描かれた作品に、僕の大好きな作品が多く、今回、三木組に参加させていただけることは、これまでの自分の想いが報われる気持ちとともに心から光栄だと感じております。20代最後にこの脚本を読み、30代最初にこの作品の主人公を演じさせていただきます。移りゆく時の流れを美しく過ごす、2人の登場人物に共感をしながら、脚本を読んで何度も笑って泣きました。物語と楽曲のクロスオーバーのなかで奏でられる、今回初共演のmiletさんの歌声もとても楽しみです。誰かがいてこその自分。そして、普段気づけない『日常の愛おしさ』を気づかせてくれる美しく、勇気をもらえるこのラブストーリーを全力で届けたいです」

●milet(前園ミナミ役)

「前園ミナミを演じます、miletです。三木監督からこの作品のお話をいただいたとき、いままで映画の歌を歌うことはあっても出演する側になるなんて想像もしていなかったので、ただただ驚きました。私が演じさせていただく前園ミナミは、ひとつの世界では歌手になる夢を追いかけ、もうひとつの世界ではシンガーソングライターとして活躍する女性です。そのどちらのキャラクターにも親近感が湧き、彼女の夢や現実に対して抱く葛藤に私自身の心が重なる部分もあり、一気にこの作品に引き込まれていきました。初めての映画でのお芝居は不安もありますが、演技のご指導も受けながら、主演の中島健人さんをはじめ、キャストのみなさん、スタッフのみなさんの力をお借りしながらまっすぐ挑戦していきたいです。私だから表現できるミナミと向き合いながらこの作品のなかで生きてみたいと思います」

●三木孝浩(監督)

「中島健人くんを俳優として意識し出したのは約10年前。知り合いのスタイリストさんからとってもいい子がいると薦められてからいつか一緒にお仕事したいと思い続けて、今回やっと念願叶ってご一緒することができました。溢れるオーラ以上にその聡明さ、佇まいの美しさにずっと魅了されていました。そしてその相手役となるのがアーティストであり、本格的な演技初挑戦でもあるmiletさん。最初に企画をいただいて、このヒロインを誰が演じられるのだろうと想像した時、ふと思い浮かんだのがmiletさんでした。以前ミュージックビデオでご一緒した時にパブリックイメージのミステリアスな雰囲気の裏側にある天性の明るさキュートさに魅せられ、もしmiletさんがお芝居をしたらどうなるんだろう?と興味を持ったことがきっかけでした。本人にとっても予想外のオファーだったと思いますが、新しい挑戦にものすごく前向きに飛び込んできてくれました。ちょっとコミカルで心温まるファンタジーラブストーリー。二人がこの物語のなかでどんなアンサンブルを見せてくれるのか。いまから現場が楽しみで仕方がありません」

●松下剛(プロデューサー)

「『きみの瞳が問いかけている』をご一緒した三木監督とプロデューサーチームで、新たなラブストーリーの題材を探していたなかで見つかったのがこの物語でした。運命的に出会い、ともに時を過ごした2人がその10年後、世界が変わって全く出逢っていなかったことになってしまった時に、その恋とそれまでの人生をどのように取り戻そうとするのか、時にコミカルに、時に人生を諭すように展開される物語に魅了されました。中島健人さんは、美しい容姿やジェントルな態度など、アイドルとしての完成度が極めて高いパブリックイメージがありますが、個人的には、さまざまな映画やドラマのお芝居で見せてくれる『苛ついた時の顔』がなにより魅力的な俳優さんだなという印象でした。

本作の主人公は、人生をかけて手に入れた成功と、運命の相手を同時に失ったところからもがく男です。その原動力は最初は怒りに違いありません。その怒りの表情が、最終的にどんな感情に変化していくのかいまから楽しみです。miletさんには以前『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』の主題歌をお願いしたことがあり、メディアでお見かけする多国籍でミステリアスな雰囲気に違わぬトリッキーでパワフルな楽曲をご提供いただいたのですが、一番印象に残ったのは、その後舞台挨拶にご登壇いただいた際の、ご本人が持つ柔らかくて朗らかでポジティブな佇まいでした。この両極端のイメージをご自身のなかで併せ持っているmiletさんにしか、本作のヒロイン、市井の人とカリスマティックなシンガーソングライターの両方を同じ作品のなかで演じることができる人はいない!と、いまから確信しています」

文/サンクレイオ翼