第77回カンヌ国際映画祭・監督週間に正式出品される映画『ナミビアの砂漠』(2024年公開)からカンヌ版予告編とポスターが解禁。あわせて追加キャストとして金子大地と寛一郎の出演が発表された。

本作は19歳で撮影と初監督を務めた映画『あみこ』(17)がPFFアワードで観客賞を受賞し、その後、第68回ベルリン国際映画祭、香港国際映画祭、カナダのファンタジア国際映画祭など各国の映画祭で高い評価を獲得した山中瑶子の本格的な長編第1作。主役に抜擢されたのは『由宇子の天秤』(20)、『サマーフィルムにのって』(20)の演技で注目を集め、ドラマ「不適切にもほどがある!」で大ブレイクをはたした河合優実。河合は学生時代に『あみこ』を観たことで俳優を志し、監督の山中に「いつか出演したいです」とも直訴したとのこと。ついに今回の映画で思いが叶えられた。新しい時代を牽引する2人のクリエイターによるタッグが実現した『ナミビアの砂漠』は、5月14日(火)より開催されるカンヌ国際映画祭監督週間に正式出品される。


今回解禁となったカンヌ版ポスターには、ピンクの背景に河合演じる主人公カナの後ろ姿が写っている。21歳のカナは自分が人生になにを求めているのかさえわからない。なにに対しても情熱を持てず、恋愛ですらただの暇つぶしだ。ここはどこなのか、カナは笑っているのか、それとも泣いているのか。想像を掻き立てるビジュアルとなっている。あわせて公開されているカンヌ版予告編では、疾走するカナ、弾けんばかりの笑顔、怒り、虚無など…。カナの爆発寸前のエネルギーをみずみずしく、そして魅力的に演じる河合の真骨頂ともいうべき姿が収められている。

また新キャストも解禁。カナと徐々に関係を深めていく自信家のクリエイター、ハヤシを演じるのは、ドラマ「おっさんずラブ」で注目を集め、ドラマ「腐女子、うっかりゲイに告る。」で初主演、その後も映画『サマーフィルムにのって』、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、『52ヘルツのクジラたち』(24)など様々なドラマ、映画に出演している金子。また、カナと同棲し、身の回りの世話をやく恋人ホンダを演じるのは、2017年に俳優デビューをはたし、『ナミヤ雑貨店の軌跡』(17)で第27回日本映画批評家大賞の新人男優賞を受賞、『菊とギロチン』(18)では第92回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞他獲得し、ドラマ、映画ともに活躍する寛一郎。

そのほか、カナを取り巻く面々として、『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』(23)の新谷ゆづみ、ドラマ「不適切にもほどがある!」ほか、様々な映画、テレビで活躍する中島歩、日韓両国で活動、活躍する唐田えりか、『悪は存在しない』(公開中)の渋谷采郁らが出演している。

これからの日本映画界を牽引する才能が集結した本作。今後の続報からも目が離せない。

■<キャストコメント>

●金子大地(ハヤシ役)

「いつかご一緒したかった山中監督、そして河合さんを始めとする素敵なキャスト、素晴らしいスタッフさんとこの作品が作れたこと、そしてその作品をカンヌで世界の方に観ていただけること、自分がどれだけ恵まれているかということをつくづく感じます。カンヌをきっかけに1人でも多くの方にこの作品を観ていただけるかと思うと興奮が醒めません。自分にとって大切なこの作品が多くの人に届きます様に。宜しくお願いします!」

●寛一郎(ホンダ役)

「生々しくシュールでシニカル、だけどチャーミング。監督、脚本、役者、スタッフの皆さんが素晴らしく。いままでにあるようでなかった映画になっていると思います。そして嬉しいことに、この作品がカンヌ映画祭で上映されることが決まったとのこと。今日の日本の若者の恋愛観や物語の展開に、海外の皆さんがどう反応してくれるのか楽しみです」

文/スズキヒロシ