土地取引での目安となる『地価の公示価格』が26日公表されました。石川県全体の全ての用途の平均変動率はプラス1.4%と3年連続で上昇しました。コロナ禍の収束や、北陸新幹線敦賀延伸の影響が反映された格好です。

国土交通省が公表した地価公示は今年1月1日午前0時現在の価格で、県内では17の市と町、228の地点で調査が行われ、今回は能登半島地震の影響は考慮されていません。

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商業地、住宅地、工業地全ての平均変動率はプラス1.4%と3年連続で上昇、1平方メートルあたりの平均価格も8万1900円で去年より2600円のプラスでした。

県内の商業地で地価が最も高かったのは、金沢市本町2丁目の土地で1㎡あたり
去年より4万円上がって104万円。住宅地では、金沢市彦三町1丁目の18万7000円で去年より1千円上がりました。

牛田和希アナ「金沢市の武蔵町に来ています。観光地の近江町市場やデパートの金沢エムザがあるこの場所が今回、県内の商業地の中で上昇率が1位となりました」

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金沢市の武蔵町は、1平方メートルあたり75万円で去年より5万円高く、上昇率は7.1%でした。去年5月に新型コロナウイルスが感染症法上、5類に引き下げられ行動制限が解除されたことから、県内への観光客が大幅に増加し、経済活動の正常化が進み商業地の地価上昇につながりました。

地価公示石川分科会代表幹事 西郷悟さん「人流回復の影響を強く受けたのが有名な観光地の一つである近江町市場に近接した武蔵町」

また北陸新幹線の敦賀延伸の影響を受け、小松駅周辺の龍助町は上昇率が7%と、県内の商業地で2番目の高さでした。

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地価公示石川分科会代表幹事 西郷悟さん「小松駅東西広場の整備が完了し、小松駅構内の観光交流センターの整備、今後は北陸電力の計画もあり北陸新幹線敦賀延伸を見越した投資も多く見られることで上昇率も拡大」

牛田和希アナ「北陸新幹線延伸の影響で新しく生まれたIRいしかわ鉄道の西松任駅です。この新駅誕生は県内の住宅地の中で最も上昇率の高い地点をも生み出しました」

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西松任駅近くの白山市北安田西2丁目の住宅地。1平方メートルあたり7万3000円で去年から6000円アップし、県内の住宅地の中で最も高い上昇率となりました。金沢へのアクセスがよくなり、商業施設の進出で生活の利便性が高まったことがなどが要因です。

一方、軒並みマイナスの変動率となったのが能登方面です。過疎化が進み、下落傾向が続いたと分析。今回の地震の影響は、次回7月1日の調査で明らかになります。

地価公示石川分科会代表幹事 西郷悟さん「復興に要する時間が長ければ長いほど不動産価格への影響は大きくなる。地価は下がるということになる」

今後、能登方面の地価の評価は、復興計画やその進ちょくによって大きく左右されそうです。