5月5日のこどもの日を前に石川県白山市の一里野温泉に29日、こいのぼりが飾られました。
青空を元気よく泳ぐこいのぼりには、被災地、珠洲市大谷地区の住民の思いが込められています。
こいのぼりが設置されたのは白山市の一里野温泉スキー場です。
一里野温泉には4月中旬、珠洲市大谷地区の住民45人が富山県立山町の避難所から移ってきました。
珠洲市大谷地区といえば毎年、ゴールデンウィークに開催される「鯉のぼり川渡し」。
350匹のこいのぼりが地区を流れる大谷川を鮮やかに彩り訪れた人を楽しませていました。
珠洲市大谷町からの2次避難者は「鯉のぼり川渡し」についてこう話します。
「(鯉のぼり川渡しは)1年の核の一つではないかとな大谷にとっては。それが途切れてちょっと残念です」
こうした住民の思いを汲み取り金沢市内で人形店を営む男性がこいのぼりを4セット白山市に寄贈しました。
12匹の鯉と吹流しはリフトのロープに次々と取り付けられ山の斜面を彩ります。
兵藤遥陽アナウンサー「こいのぼりが悠々と気持ちよさそうに泳いでいます。今年は大谷川ではありませんが、遠く離れたこの白山ろくで大谷の方の心をこいのぼりが癒してくれています」
珠洲市大谷町からの2次避難者は「鯉のぼりの景色がふるさとに見えます。本当にうれしいです。あんまりきれいなもんでびっくりしてます」と話し、別の避難者は「いつかまた(鯉のぼり川渡しが)再開できることを祈ってます」と語りました。
連休中の29日は被災した住宅の後片付けのため地元に帰っている人も多いということですが、珠洲市大谷川からおよそ200キロ離れた場所に掲げられたこいのぼりに避難者は故郷を思い出し勇気をもらっているようでした。