石川県内では、能登半島地震の影響で輪島港のほか60の漁港で被害が確認され、一部で応急復旧工事が進められています。海底が隆起し漁船を移動させることができなくなっている珠洲市の狼煙(のろし)漁港でも、漁の再開に向けた土砂の引き上げ工事が始まっています。

珠洲市の先端に位置する狼煙漁港では、地震により海底が1メートルから1.5メートル隆起したことで海底が3メートルほどに浅くなり、港への船の出し入れができなくなっています。

MRO

20日からは、県に代わって水産庁が海底の土砂を取り除くしゅんせつ工事を始めました。それでも、漁に出るめどが立ったわけではありません。震災から間もなく5か月を迎える中、漁師の糸矢貞雄さんは現状にもどかしさを訴えます。

糸矢貞雄さん「苦痛ですね。今まで出ていたのが出られないから、体が漁をする気が薄れるように感じる。できたら早く港を確保してもらって船が出せるようにしてほしい。1番漁場が近くて魚の種類も多く集まる場所、これを狼煙で守っていきたい」

漁師の糸矢貞雄さん

水産庁によりますと現在進められている港の入り口近くの工事は9月末まで続く予定で、その後順次、港の中心まで作業を進めていくということです。