天候不順などの影響でキャベツの値段が高くなっています。一時は例年の2倍以上になることもあり、飲食店や青果店では苦しい状況が続いています。

東京・葛飾区亀有にある下町情緒あふれるお好み焼き店「お好み焼き・もんじゃ 嵯峨野」で経営を大きく左右するのが“キャベツの価格”です。この店によりますと、キャベツの仕入れ額が5月上旬から高騰したということです。吉田正輝店長は「ゴールデンウイーク明けぐらいから1玉800円、850円ぐらいの時があった。その時はさすがに買えないなと思って、安い所、別の所、ちょっと遠くまで歩いて仕入れた」と語ります。

安く買える店から仕入れる企業努力でキャベツの量は変えず、値段も据え置く方針ですが、吉田さんは「野菜は流動的なのものなので落ち着く時期を見計らって、またそこに経費を落とし込んでいくという形。この時期は仕方ないかなという部分もある」と話し、しばらくは我慢の期間が続きそうだとしています。

一方、大田区の青果店「レ・アルかきぬま」では、店に入ってすぐのところにあるキャベツが1玉380円=税込み410円で販売されていました。この値段は今の時期にしては割高だということです。

今週は天候が回復したため価格は下がってきましたが、先週は雨が続いたことなどが要因となり、一時はキャベツの価格が800円以上になったといいます。仕入れ担当の柿沼優助さんは「もう絶対売れない値段なので、持ってきた時にはお客さんもびっくり、卸している業者もみんなびっくりしていた」と話しています。そして、来週以降の価格も天候次第のため「先行きが不透明だ」として「今後の市場の見通しが全然つかない。八百屋さんも農家も、どこも分からない状態。来週の天気予報がずっと雨なので、そうすると品物も収穫できないので心配」と話しました。

農林水産省は「6月下旬以降は高冷地からの出荷が増え、価格も落ち着くのでは」と分析しています。

<カブやインゲンはお買い得 値上げが続く中、ダブルパンチも>

取材した青果店によりますと、今の時期はカブやインゲンなどが安く買え、葉物では小松菜などが比較的手に取りやすい価格だということです。円安などで厳しい生活が続く中、野菜価格の高騰も気になるところです。