諏訪市四賀の仏法紹隆寺(岩﨑宥全住職)は南北朝・室町時代の作とされる県宝の仏画「釈迦十六善神像」を境内の宝物殿で特別公開している。展示スペースの部分改装完工を記念した企画展で、自寺での公開は初めて。6月末まで。

 像は3幅の掛け軸で、中幅に釈迦如来と文殊菩薩、普賢菩薩の三尊、左右の脇幅に大般若経を守る善神が武将姿で描かれている。中幅は南北朝時代の作、脇幅は大般若会の本尊とされるに際し、後に加えられたとみられる。釈迦の衣の表現に中国・宋から鎌倉に伝わった代表的な様式が見て取れ、岩﨑住職は「鎌倉時代に花開いた文化が諏訪にも流れ込んでいた証左。信仰上はもちろん諏訪の歴史を表わす史料価値も高く、貴重な優品」と話す。高島藩主が手を合わせた記録も残る。

 また、鎌倉〜室町時代のものとされる大般若経600巻や5代藩主諏訪忠林が寄進した大般若経、忠林が編さんを命じた大般若会に関する仏画や経典の由来書なども公開している。

 改修は1月に行い、展示コーナーの一部戸袋を払って床まで展示視野を広げ、大型の掛け軸や仏画を公開できるようにした。寺宝の修復にあたり市民から寄せられた支援金の一部を施工費に充てた。

 公開は火〜日曜の午前9時〜午後4時。拝観料は500円。問い合わせは同寺(電話0266・52・2241)へ。