長崎県対馬市厳原町国分にインバウンド(訪日客)の富裕層などをターゲットにした宿泊施設「hotel jin」がプレオープンした。取締役の桑田隆介さん(44)=同市出身=は「さらに観光を盛り上げたい」と意気込む。
 桑田さんは東京でのアパレル会社勤務などを経て、2016年に五島市に移住。20年に同市でホテルをオープンさせた。「対馬には富裕層向けのホテルがない。もったいない」。訪日韓国人客でにぎわう故郷に桑田さんはポテンシャルを感じていた。
 そこでかつて旅館だった市役所近くの建物に目を付け、リノベーションした。2部屋で定員は各5人。旅館の面影を残しつつ、現代的なデザインとなっている。マネジャーは中山貴子さん(36)。ホテルでの勤務経験や人柄を買われた。「高級ホテルですが、町宿の良さも目指したい」
 知人らを対象に3月末にプレオープンし、今月本格オープンを予定する。19年8月から休止していた対馬市と韓国・釜山を結ぶ国際定期航路も今年4月に再開。さらなるにぎわいが期待される。2人は宿泊客に飲食店などを紹介し、対馬の魅力発信にも貢献する考えだ。
 宿泊は1人4万円。6月1日には「こけら落とし」のライブも予定する。詳細はインスタグラムでも確認できる。問い合わせはhotel jin(電080・2733・6993)。