三菱重工業長崎造船所で建造された海上自衛隊の護衛艦「やはぎ」(3900トン)の引き渡し式と自衛艦旗授与式が21日、長崎市飽の浦町の同所であった。第14護衛隊(京都府舞鶴市)に配備される。
 全長133メートル、全幅16・3メートル。警戒監視、対潜戦、対空戦、対水上戦のほか、対機雷戦機能も併せ持つフリゲート艦(FFM)で、2022年に就役した「もがみ」型の5番艦。水中無人機(UUV)などを駆使し機雷の排除や敷設を担う。
 従来艦と比べ、船体は凹凸を減らしステルス性を高めている。操縦室や艦橋などに分かれていた作業をCIC(戦闘指揮所)に統合するなどして省力化。乗員は約90人に半減した。うち女性は約10人。建造費は建造中の6番艦と合わせて20年度予算分だけで約943億円。
 増田和夫防衛事務次官が同社の江口雅之防衛・宇宙セグメント長から引渡書を受け取り、艦長の田村真禎2等海佐(46)に自衛艦旗を授与。旗は艦尾に掲げられた。
 もがみ型は全12隻を三菱重工が順次建造。これまで長崎で6隻、岡山県玉野市の三菱重工マリタイムシステムズで2隻が進水または引き渡しが完了した。さらに防衛省は新型FFM12隻の建造も計画している。